授業準備。
戦後の持ち家大衆化に伴い家相も大いに注目される。家相学の近代化(建築学や科学が加味)や、家づくりマニュアルとしての家相、さらには清家清の変化球的な『家相の科学』言説を通して、戦後住宅における家相の意味を考えます。家相3.0ともいえる「頭のいい子を育てる家」言説にも言及。
今日のお買い物。
平井房人『家庭報国 思ひつき夫人』(朝日新聞社 1938-39年)と映画チラシ(東宝 1939年)。日中戦争下の「家庭報国」として衣食住はじめ日常生活のさまざまなライフハックを3コマでつづる短編漫画集。ヒット作となり1939年に映画化される。岸井明が歌う「代用品時代」と同じころ。
『ドラえもん』第35巻収録の「しずちゃんとスイートホーム」(初出は1983年2月)。登場するひみつ道具は「即席スイートホーム」と題した”愛を育てる家”。庭先の小屋という設定は「スーパーミゼットハウス」を彷彿させる。人を欲情させるその効果は室内に限定される。新婚住宅の本質を戯画化した名作。
今日のお買い物。
こだち『まどりごと』講談社 2018年
不動産屋でつとめる主人公・日渡ひよりは、小さい頃から不動産広告を眺めるのが大好き。お客様をみるとその人にピッタリな理想の間取りが「見える」特技を育むに至る。あの「ビラ・ビアンカ」も登場。生きることと住まうことをつなぐ「間取り」。
なお「夕日台駅徒歩10分」に登場する、有名人が住んでいるらしい「素敵」な家は、あきらかに飯塚五郎蔵が設計した三井木材工業の「三井ハウスF型」(1971年)をモデルにしたもの。
左:西岸良平『夕焼けの詩6』講談社 1978、右:飯塚五郎蔵『デザインの具象 材料・構法』SPS 1989 https://t.co/lznccfG5HA
Travel Villa
DESIGNED WITH THE WOMAN IN MIND
(Newcomer Industries, Inc. 1986)
トレーラーハウス沼はまちがいなく深いので、つま先3cmだけ。とはいえ最小限住宅みたいで面白い。
今日、3月20日は哲学者 #梅原猛 のお誕生日。おめでとうございます。
あの「山川草木悉皆成仏」は、伝統構法復権ムーブメントでも重要な役回りを演じました。西岡棟梁ブームを経て1990年前後の木造建築の語られ方を探る上でも梅原は重要人物。さらに伝統を未来につなげる会、ものつくり大学などなど。
本田正次ほか監修『小学三年生ダイヤモンドブック:学習参考・理科図鑑』小学館、1957年
植物・楽しい実験・保健の3つからなる理科図鑑。保健の項に「すまいときもの」が登場。生活から学習するねらいのもと、理科の知識をもとに、健康な住まいの実現へ向けて小学生ができることが図解されています。
復員兵・穴吹夏次が地元・高松の住宅復興、そして高度成長を経て一大・穴吹グループを形成するまでの歩みを描く『穴吹夏次物語・日々是前進』、構成・画:青柳裕介、穴吹工務店、1992)。軍隊・敗戦経験が下地になるのは石橋信夫と共通。残念(?)ながらミサワホームの代理店事業の話は登場しない。