『それでも町は廻っている』って終盤に平行世界の話が匂わされてキャラの少し違った姿が見えるじゃないすか。作家にならなかった静姉ちゃんとか。あの作品世界は歩鳥が周囲の人の未来を少しだけ変えている,というテーマがあるわけで(と思う)。紺先輩とかは最も強い引力で明るい世界に引っ張られた人で 
   という前提で見ると一番気になるのがエビちゃん。この子は少し周囲に圧をかける素養があるのね(今現在はイジメまではいってない)。歩鳥達が近くにいることでこの世界でそっち側に行かずに済んだ人。人は簡単にカテゴライズできない。多くの人がボーダー上にいるという描き方がこの作品の美点だなと思う 
   ファントム無頼ってどこまでが武論尊(史村翔)先生の原作でどこからが新谷かおる先生のアレンジなのか昔から気になるんだよね。武論尊先生が航空自衛隊出身だから立ち上がった企画なんだろうけどキャラクターや読み味は完全に新谷漫画なんですよねこの漫画。台詞の言葉遣いは全部変えてると思うんだよな 
   タイムレスキューものって昔からわりと沢山あるけどT・Pぼんの「歴史的に影響のないどうでもいい人だけ助けてOK」って画期的だよな。 
   そういや「巻き戻し」ももうほとんど死滅した言葉なんだっけ。じゃあこの辺も「早戻し」になるのかな。でもこれはカセットテープとかビデオテープみたいなシーケンシャルメディアのイメージだからなあ。何回も同じところを再生するとテープが伸びて劣化するっていう概念が今はもうないもんね。 
   実はポコニャンがちょっと優遇され過ぎだと思うんだよな~。多分ドラえもんに似てるという理由で(笑。Uボーとかモッコロの方が良くない?
俺の好みならバウバウ大臣を入れちゃうけど。 
   F先生にはピカレスクロマン的な素養は全然ないんですよね。悪の美学とかまるっきり興味なくて。だからこういう、下手すると敵の方を応援したくなるくらい魅力的に悪が描かれる回は完全にネームからⒶ先生ですよね。Ⓐ先生決闘好きなんだよねー。 
   みんな大好き『あどりぶシネ倶楽部』。この空気って今では伝わりにくいんだけどこれ連載が1983年で真面目なものがとても馬鹿にされて茶化される時代だったのね。パロディにあらずば人にあらず的な。そこで8ミリ映画を撮る話ってだけでも逆風なのにこういう部分を照れずにやってたのが良かったんすよね 
   この辺を「なんちゃってー」みたいな描写にしなかったのが良かった。自意識を変にこじらせてなくて健全な創作マインドなんすよね。かつ幼稚でもなくて周囲から圧がある描写はちゃんと入るし。で掲載誌がスピリッツでしょ。気まぐれコンセプトが載ってた雑誌だよ。一番のアウェーでこれをやってたんすよ 
   『オバケのQ太郎』のキャラクターの中でP子って優等生過ぎてイマイチ弾けないよなと思ってたんだけどドロンパが絡むとオバQ>P子>ドロンパと三すくみのジャンケンみたいになってそこは面白くなるのね。P子がドロンパを結構雑に扱うのがポイントだよな。