そして、福岡メシについて丁寧に紹介してくれているのも魅力。
「福岡はご飯が美味しい」
的な話を山のように聞くけど…もう「すいとーとを読んで美味しそうだと思ったから来た」というのも1つの選択肢かもしれない。
デザインがうまいだけならイラストレーターにもそういう人はいるだろう。
ただ、この人の場合キャラをデフォルメしたり、表情をうまく切り替えたりするところまで含めて「匡之下キヨマサさんのマンガだ!!」と感じさせる画風でうまい。
まず、ここでもう頭1つ抜けてる!!
キューピッド役のすごさはもう1つ。
人の恋路って基本は応援してても、うっとうしいと感じる部分もあるんです。
それを代弁してくれているのが、いいんです。
熱々だけでなく、白けてる部分や他人事に読んでる人にも「今こう思ってますね!」ってえぐってくる感じが、この作品ならではのすごみ!
具体的にどう増しているかというと、恋人には絶対見せないところを間にいる人物を介してみせたり、恋に後ろ向きな時にさりげなく応援したり…そういう気遣いをする人が入ることで、ラブコメのシリアスや思い詰めた部分が薄まるんです。
二人きりだと態度で表せない部分まで描けてる。
「感謝」だ「恩返し」だと人に押し付ける奴らが私は好きじゃないけど、このマンガみたいに追放後もよくしてくれた人の笑顔で自分も幸せになる光景はすごく好き。
「ここまで行きたいなぁ」
という追放された側の理想像もしっかりマンガに落とし込んでそっちに話を持っていってるのが、私とても好き
と同時に、今読むと
「追放された側が立ち直って、どんどん相手へのウェイトが下がっていく(怒りが沈むのではなく、どうでも良くなるぐらい自分のことをやってる)」
立ち直るプロセスも描いているのがいいなぁ〜と思いました。
他にも、急がないでゆったりって…なんか「素早くテキパキと」に比べて人生損してる感じがするけど、自律神経的にそっちの方がいいんだって。
そして、そのイメージ図に出てくるのが
「ごきげんよう」
と言ってる人の姿。これもう【お嬢様】やんと
一見全く別の要素だけど…2巻を読むと、
「異世界に飛ばされた妹」
の話が出てきて、主人公以外にも異世界の話が繋がっててきます。
主人公とメリーさんの電話以外でも異世界と現世が同時進行で繋がりながらストーリーが繋がっていくすげーマンガ。
タイトルオチだと思ってたのに、思いの外壮大
で、『異世界おじさんを非モテセガオタクおじさんじゃなくて、メリーさんでやりたい作品なのかな?』
と思ったら、3話では主人公が住んでる家に新キャラ(地縛霊)がでてきて、
『異世界おじさんもやりながら、ハルヒもやるのか!』
というぐらい主人公の周りに変な人が集まっていく
ところが…2話以降主人公のアドバイスガン無視&主人公もツッコむほどメリーさんの異世界での冒険がハチャメチャになっていき
「これ、『面白いプレイヤーのゲームを一緒に楽しむ極振り』というよりも、異世界おじさん的な『そうはならんだろ!主人公&異世界』という話を楽しむマンガ」
になっていく
一応、LINEマンガで1話だけ読めるんだけど…
1話時点ではメリーさんをベースにしたギャグマンガというか、
「メリーさんが異世界から電話で冒険の様子を伝えてくる作品」
とも読めて、この時点では【極振り】っぽくもあるんです。
奇抜なプレイヤーのゲーム実況を楽しむような作品っぽくも見える
「ラーメン発見伝の原作者が手掛けた作品」
と聞いて、
「らーめん才遊記のゆとりちゃんを超えるヤベェオタク女が、男主人公を圧倒するどころか、グルメマンガであることさえも破壊していく作品」
を手掛けてくるなんて、思う!?
「文豪ナツメ〜」読むと、ゆとりちゃんが原作者の性癖に思えてくるぞ