永遠と刹那が入り交じる耽美な作品がお好きな方は是非ご一読を。
個人的に4巻で好きなのは主人公の一人・洋子とその友人・玲奈のやり取り。
玲奈が洋子をポラリス(北極星)にたとえるくだりで三浦しをん先生の「君はポラリス」を思い浮かべてグッときました。話はそれますが「君はポラリス」収録の
原百合子先生『繭、纏う』4巻読了。
森に隠されるように建つ星宮女学園。
そこに通う少女たちの制服は、卒業生の髪を織って作られている。
そんな妖しい伝統を持つ女学園から、ある日「最も美しい髪の少女」がその髪とともに姿を消した…。
という謎に満ちたストーリーの耽美なガールズラブ作品。
取り巻く状況が変わってしまってもスイの本当の気持ちに寄り添いたいと思うショーコと、取り巻く状況が変わって苦しい渦中にありながらもショーコの思いに応えようとするスイの関係が素敵です。
一木けい先生と三浦しをん先生の対談で述べられる
「お互いを肯定するだけではないし、 (続く)
個人的には、思春期の少女が互いを想い合う様を描いた作品としては傑作と呼べるかと思います。
一年生で同じクラスだった二人は誰も知らない秘密を共有しながら仲を深めますが、二年生でクラスが別れた後に内向的なスイを取り巻く状況が変わっていくのですが、そこで交わされる会話がとても素敵です。
熊倉献先生『ブランクスペース』1巻読了。
バト部に所属するちょっと天然な女子高生のショーコと、大きな図書館が近くにあるという理由で同じ高校に進学した帰宅部のスイ。
全く違う性格の二人だけれど、スイの持つ不思議な力を知ったあの日から二人は同じ"楽しい"を共有する親友になり、というお話。
今週号のヤングジャンプに掲載されていた雪森寧々先生『久保さんは僕を許さない』も素敵でした。
憧れていて、そばにいたくて、独占したくて、、、
という色々な感情がないまぜになって分けることのできない"好き"の描き方が素晴らしいのでご興味のある方は。
宮崎夏次系先生『あなたはブンちゃんの恋』2巻。
「その人の目の中に映る自分のことだけは大切に思えた」
という、自分にとって太陽のような存在・幼馴染の三舟さんに恋をするブンちゃんの物語。
三舟さんには他に想い人がいるためブンちゃんはその叶わない想いを断ちきろうともがき続けるのですが、
成家慎一郎先生『フードコートで、また明日』。
一見優等生で話しかけ難い雰囲気を醸し出すけれど、実はアプリゲームにキャラクターに夢中な夢女の和田。
ギャルのような見た目で周りから怖がられるけれど、英語の勉強を欠かさない努力家で家では弟のお弁当も作っているという面倒見のいい山本。
二人から主人公への心の継承が素敵なのでご興味のある方は。
恩田陸先生の『対岸の彼女』もそうなのですが、もう二度と会うことがないとしても、その人がいたからこそ感じえた思春期の瑞々しい感動を忘れずに継承していく女子同士のお話が好きです。