『逃げるは恥だが役に立つ』原作の海野つなみ先生による百合短編『百花繚乱』。
主人公・沙季の片思いはかなわないのですが、報われなかったその恋を彼女が大事に胸に抱き続ける姿がとても素敵。
8月8日発売シギサワカヤ先生『君だけが光』収録の『プレパラート』にもそういう趣があって好きです。
フィールヤング発の百合回はやまじえびね先生の『スウィート・ラヴィン・ベイビー』あたりで私の心が砕け散りそうなので、続きはかっぱさんにお願いしたい所存。
「この世界で生きるしかない」という絶望感に包まれたゼロ年代文脈を持ちつつ、苦しい現実の中で言葉を費やし続けた二人が辿り着く終着点がとても美しい作品。
中村珍先生『羣青』。
逃れられない現実の中で生きる人々にとっての逃避行を考えさせられます。
柳本光晴先生『響 〜小説家になる方法〜』のリカ先輩が見せる、天才を前にして傷つきながらも戦い続け秀才の姿が素敵。
日本を代表する純文学作家の祖父江秋人を父に持ち、自身も編集に目をかけられ作家の卵として執筆活動に励むリカですが、主人公・響という天才を前に打ちのめされます。
今年のストーリー百合作品における"再生産"の文脈を色々と見返していたのですが。
『HUNTER×HUNTER』王位継承編における、蠱毒的発想による殺し合いの中で共に行き続けるための霊獣を生み、そして霊獣として生まれ変わるカチョウ・フウゲツの「いつでも一緒。死してなお」の文脈がとても好きです。
シアターPOOで一緒に働いている本職の牧師トオルさん(@bokushibargg)に、宗教改革の時代を描いた『ピルグリム・イェーガー』という作品で語られるキリスト教の教義、コル・ウーヌム(心を一つに)ついて聞いてみました。
心を一つに
二人で同じ命を生きる
なんだか素敵な響き。
いつか終わるからこその輝きや永遠性をもった『ラブライブ!』的なアイドル作品ではない、輝きを失った後で思い出だけを引きずりつつそれでも日常を生きていく社会人の物語。
すれ違いばかりの終わらない日常を雪乃と節子が言葉を重ね確かめ合いながら越えていく、素敵な社会人百合作品です。
千春が伊澄の自転車通学を学校に報告しない理由。それは千春が
「寮の同室の人とちょっと色々あって実家から通っている」
ことに関係があるようなのですが。