島耕作のスタンスとしては、マンガで文革期を振り返った「チャイニーズ・ライフ」が思い浮かぶ。要するにこの現場猫である。過去については「オレじゃない」「アイツがやった」「知らない」「済んだこと」と切り捨てつつ現世利益に執着し、その自己を肯定するのに躊躇がない。まあ辛かったんだろう。
「学生運動を曖昧にした世代のモチベーション」についてオタク世代は甘く見ていたように思う。ほとんどは他人事にしか過ぎず、バブルを享受し、物質的には特に不自由なく育ったようでいて、実は自己肯定の機会を、要するに現世利益を渇望していたのだ。虐待された幼児のメンタルを思い起こさせる。
オタクの発生した根底に、第三次ベビーブームを生むはずだった巨大なリビドーと、それが満たされなかった歪みがあるというのがオレの意見である。同じようにして学生運動とその尻尾の世代の根底には、総括しきれない屈辱を現世利益で糊塗しよう、自己肯定しようという意思があったのだとオレは思う。
国のコロナ対策に憤りが収まらない人に再掲して見せたいこの画像。政治が賢明で、信頼に足ることなど期待するほうがどうかしてる。いつだって何だって基本うまくいかない。パチンコ屋で「出ねえぞ」と怒っているのと変わらん。逆になぜ出ると思う。あれは「出ますよ」という期待を売っているのだ。