主水の口角、明らかに上がってるんだよね。安堵の笑みと言うより、実力ある追手と戦えてニヤリの感じ。
主水は歪んだ血風党から脱党した分別ある人物って感じだけど、それと同時に異常なまでに武芸を愛していたと思う。
雑に言うと主水は分別ある変人。他の横山作品もこのタイプの人物多い気がする。
魔剣烈剣や振り袖剣士みたいに漫画だと男装の剣士が長い袂の着物を着てることもあるけど、普通に青年が着てる時は美青年の衣装という認識でいいみたいだね。
「影丸の影丸」の左近丸や「無明幻之丞」の幻之丞も袂が長いのは特別イケメンってこと。左近丸の着物は模様まで秀太郎の着物にそっくり!
シルバーは自分で考えるサイボーグロボだから操縦器は無い。博士が力を正しいことに使うようにと言ったのを守ってる。
ここのコマで自分は「鉄のサムソン」の操縦器を渡す場面を思い出した。
逆にバビル1世みたいに使い方は2世に任せるってパターンもあるし、他のロボ物と比較読みすると面白いかも。
「キャプテンシルバー」は、中里博士の作ったキャプテンシルバー(サイボーグロボ)が悪のシャドウ団に立ち向かう話。
40頁くらいで完結するけど敵のロボットのデザインが魅力的!牛ロボのオックス、阿修羅のようなムツデラー、名無しのバッタロボ、毎回どんなロボが出るかワクワクするし飽きない(笑)
「風の天兵」は、アクションの見せ方や構図、エモい演出も上手かった。
ストーリーも、再興を目指す天兵と再興を諦めることで平和を維持した右近先生の対比もあって、短いながら読み応えあった。
阿魔野邪鬼とか「伊賀の影丸」と比較して読むのも面白いだろうし、改めていい作品だなと思った。
右近先生について補足。
「伊賀の影丸」の左近丸みたいに目が見えないけど凄腕剣士。邪鬼と張り合えるレベルで強いし、天兵くんの命の恩人で後で剣の師匠になってくれたり優しくて頼もしい。
設定は左近丸より後の「無明幻之丞」(横山光輝・東浦美津夫)と近い気がする。果たせなかった再興と平和。
邪鬼殿について補足。
長刀をふる度に人が倒れる凄みがある一方、撒き菱ふんじゃったり、心配ごとで眠れなくなったりちょっと可愛い一面もある。
負傷して帰ってきた時、腕が効かなくなってたのが辛い…
今回読んで気がついたけど、もとから眼帯の目と負傷して効かない腕が、土鬼と同じだ。
「風の天兵」は、個性的な大人キャラの魅力もある。
特に印象的なのが2人の剣士。
「伊賀の影丸」の阿魔野邪鬼と同名のスゴ腕剣士と、盲目のイケメン剣士美奈月右近。
「風の天兵」は持ってなかったけど前に親切な古本屋さんに読ませてもらったことがあった。
天兵のひたむきな姿が印象的。
特に中盤、仲間の死や悔しさで泣いてしまうけど、決意を新たに勇ましく駆けていく姿がとてもいい。
咄嗟の時に台詞が簡素なとこ、天兵の少年らしさが出てる気がして好き。
全部レビューできるか分からないけど、まずは復刻買ったら一番に読みたかった横山光輝名作集⑭⑮「風の天兵」(少年クラブ1957)から。
甲賀の少年忍者天兵が謀反人を倒して青葉の国再興を目指す話。
⑮には「月笛星笛」(少女1955)も載ってる。可憐で悲しい敵討ちの話。初期作品の中でも名作だと思う。