「恋する民俗学者」17話こぼれ話
この回のラスト、花袋と國男は浜辺で漂着した椰子の実を拾います。
藤村はそれを有名な「椰子の実」の歌にします。
この体験が南方への視線や晩年の「海上の道」に繋がり、椰子の実は柳田の燻り続けるロマン主義の象徴です。
「恋する民俗学者」こぼれ話 國男とともに筆を折る中川恭次郎は國男の義理の又従兄弟。医者になるため上京するが試験には受からず、「文学界」編集人など明治文壇の裏方として生きます。
医学書などの代筆に長けそれを生業としていた時期もありました。
「恋する民俗学者」19話
花袋は椰子の実が流れつき根を下ろすようにりさとの生活を始めようとする。姉の嫁ぎ先に蟄居する藤村を花袋は尋ね、椰子の実の話に消えかかっていた藤村の中の文学に再ひ微かな火がともる。しかし詩を捨てた國男にはまだ行くさきが見えない。
https://t.co/0m2D1zxnbn
なんでお前がSF語るか、という方いるかもしれませんがヤングエース連載中の「東京オルタナティブ」は時間SFでチオチモリン やスローガラスなど時間SFへのオマージュがそれなりに散りばめてあります。
東京に第3の原爆が落ちるはずなのに「落ちなかった」戦後が舞台。
https://t.co/EV8UINiB6s https://t.co/cy0VBeps7g
「恋する民俗学者」20話
藤村は自分の過去の女性遍歴をも受け入れる冬子を娶り、やがて「破戒」を書くことになる地、小諸へと「社会」を探して旅たつ。その報告の席で藤村は國男に國男と花袋の絆である「椰子の実」の話を自分に譲ってくれと申し出る。
https://t.co/UsIlUMKyGJ
「恋する民俗学者」こぼれ話
國男が病床で学び始めた農政学は「優勝劣敗」つまり強者が勝ち弱者が負けるのを必然とする社会ダーウィニズムにた対しそこで生じる不均衡を「社会」という主体が解決すべき「社会問題」と捉え、解決の手段が「社会政策」だとする立場。
今の日本が見失った「社会」はこれ。 https://t.co/Vr7NE8qY3N
「恋する民俗学者」20話こぼれ話
國男が花袋の文学を死ぬまで褒めないと言う下り。生きている間は花袋をボロクソに言い葬儀の席で文壇の人々の花袋への心無い発言に切れる。そして社会を変えていく前提として社会を記述する「自然主義運動」の盟友として花袋を評価する追悼文を残す。天邪鬼です。 https://t.co/f7wSNHpKpX
「土蜘蛛草子」絵巻のまんが変換、リテイク版。
二人のキャラクターの身長差を演出するコマ展開に。
などと言う微修正中です。
西川さんより「東京オルタナティブ」辻政信編最終話原稿届く。
ラストでは虫雄が「トキオ大使」誕生を目撃。
「恋する民俗学者」21話
りさとの生活のために小説を書くも全く売れない失意の花袋の前に、新声社の編集者佐藤儀助(後の新潮社創業者)が現れ書き下ろしの小説を依頼。りさは國男の恋でなく、自分の生い立ちを書くべきだと花袋に言う。
https://t.co/egQGltMAvc
恋する民俗学者21話こぼれ話
井上通泰や恭次郎は國男の詩は同時代を生きた人間にしか理解できない、だから歴史にも残らないと言う下り。後に水野葉舟が『明治文学の源流』でそう言う意味の回想をする。
時代の文脈の中でのみ成立する作品というものが確かにある。 https://t.co/QcKlYQo6Dw
「ヤングエース」連載「まんがでわかるまんがの描き方」webコミック編作画、南京より届く。
京都(原作)→北京(監修)→南京(作画)→東京(角川)とアジア一周して入稿。今回はスマホコミックの4つの累計。ラインなどのチャットノベルズって一種のwebまんがかもね、という話など。