60年前後のセヴンティーンたちのテロルと文学者たちの交錯を描く大塚英志・西川聖蘭「クウデタア」。大江健三郎と江藤淳の会話シーン。江藤淳をギャグタッチで描く西川さんに驚愕。 
   戦場で描かれたまんがは文化工作目的が多いが今でも中国の古本サイトに行くと藤原英比古の楽しい軍隊生活を描く軍事絵葉書が多数ある。その作風と裏腹に藤原は文化工作誌「建設戦」に「戦争と漫画」を寄稿、中国における「漫画戦」についても報告。戦場における漫画の立ち位置がわかる。 
   アメリカの方針転換による、警察予備隊の発足から日米安保に至る占領下の「逆コース」の渦中、武装せず、戦わず、ひとり和平交渉に及ぶロボット少年アトムのこのカットも戦後まんが史にとって重要です。 https://t.co/XqqaJxOu1y 
   僕は北京や上海の図書館で埃まみれの新聞や雑誌に痕跡の残る戦時下中国で日本の文化工作に関わった日本人漫画家たちの姿を見ると、自分がそういうものと毅然と距離を取れたか心もとない。だから彼らの運命を追っています。 
   「まんが訳酒呑童子絵巻」中国語版、英語版無料でダウンロードできます。僕の解説も中国語、英語訳してあります。語学の勉強、海外の方の「まんが絵巻起源説」を越える深い文化理解にお役立てを。
漫画译酒吞童子绘卷
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Shutendōji emaki as Manga
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   「まんがでわかるまんがの描き方」校了中。
人造人間考最終回。
よく、例に示す戦時下の人間の身体の機械化=拡張。
まあ「改造人間」着ぐるみの元祖みたいなもの。
学術雑誌に掲載された「本気」の案であることが始末が悪い。 
   島田啓三「ネコ七先生」、都会に出世を夢見て上京し都会を放浪するうち、重慶爆撃機に乗ったり、「海の神兵」の舞台のオランダ領インドネシアに行ったり、田舎に行って綾波のように田植えをしたり戦時協力に巻き込まれるが結局、連載は中止、科学者にインク壺に戻される。 
   ヤングエース連載「まんがでわかるまんがの描き方」12月発売号、校了中。今回は僕の20代の時の恐ろしい経験が再現ドラマになってます。石森先生のネーム、就職浪人中のバイトが「見る」なんて出来っこないです。これが一年続いた。
あ、漫画家が美化してくれてるのは顔のみで、この時48キロな。 
   哲学的形而上学的倫理学的な主題を専門用語なしで「物語の構造」によって語ろうと試みたのが村上春樹。その是非あたりから村上春樹論は書かれないと。  https://t.co/WlHn8JmfU5
   そう考えると「ラピュタ」でシータが何故自ら石炭をくべるのか、という「意味」も見えてくる。こういう要素は受けては意識しないが、ジブリ作品の普遍性を根底で支えている。 
   「クウデタア」(2017)は1960 年が舞台。大江の「セヴンティーン」のモデルにもなった少年テロリストなど恐るべき17歳と言われた3人の触法少年の事件と彼らを文学の言葉でやがて記録する若き大江、石原慎太郎らと迷走する三島由紀夫を描く。美輪明宏、江藤淳、庄司薫も登場。全一巻600p。 
   手塚は実は自分のデビュー作は「翼賛一家」だと以前は証言していたが現物は確認されず。ただアマチュアの二次創作的動員が「翼賛一家」の肝。「勝利の日まで」には「翼賛一家」の親子が登場。隣組の防空が描かれるからある意味「翼賛一家」二次創作。これが確認できた年代的に最後の「翼賛一家」。