バロン吉元先生の「殴り屋」の第3巻に岸根屋という店が出てきますがこれは1980年まで実際にあった根岸屋がモデルです。黒沢明の「天国と地獄」にも出てきます。24時間営業だったのでバロン先生は夜中3時頃に行っていたりしたそうです。
バロン吉元・荒俣宏トークイベント補足。バロン先生が初掲載作品の直後に描いたと言及した『いたずらで望遠鏡の前に毛虫をたらして覗いていた子供がアパートの屋上から落ちて窓から出てきた泥棒の上に落ちる』作品とは昭和35年「お月さま」です。
この「お月さま」は辰巳ヨシヒロ先生からアパートに一千万が置いてあるのはリアリティがないと言われたとの話で、泥棒が別の泥棒の部屋に盗みに入る代案を出されていましたがその案はバロン先生が昭和35年「第13号室の男」で描かれていました。
星野茂樹作品の実力はあるけど心を傷つけられたり理想の仕事ができないなどの理由で働く意欲をなくした歴代主人公達の登場シーン。
98年「R探偵事務所」
01年「鉄腕ゴリラ」
02年「ハングリー大洋」
02年「解体屋ゲン」
星野茂樹作品は働く意欲をなくした主人公が新しく出会った人々や家族との交わりを通して再び熱血化するというのが基本展開です。
内容が気になる人はGoogle検索してみてください。
星野茂樹作品最新作でオガツカヅオ作画「ことなかれ」の主人公。今のところ性格は未知数。この作品の面白いのは主人公には特殊能力が無く毎回霊能力者を呼んでくるところ。内容は心の闇を描いていた「R探偵事務所」後半の感覚に近いような気がする。
漫画ストーリー誌昭和39~41年連載の清水崑「かっぱ放題」。毎回「剥ぎ魔」「開け魔」などの「○○魔」の河童が出てくる2ページ作品だけれどこれが面白い。これほど自然体な感じで漫画が描けるものかと思う。
モンキー・パンチはMAD誌のなかでもモート・ドラッカーに影響を受けたと語っているけど1961年から連載されていた「SPY VS SPY」には影響されていないんだろうか。女スパイが白黒スパイを翻弄するあたりも似た感じがする。
吉元正(バロン吉元)昭和41年「少女と黒人兵」。この時期にこんな表現をしていたのはバロン先生だけではなかろうか。山田参助先生とのトークイベントで「この頃の描き方を続けていればもっと早く人気が出ていたかも」と言っていたのも納得。
かとう・一彦(モンキー・パンチ)昭和37年「ナンバー5+α」の銭形警部。ルパン三世でおなじみのやりとりがすでに描かれている。銭形警部は知る限りでは昭和37年頃の貸本3作品と昭和42年漫画ストーリー誌「アウトサイダー」に登場している。