その最期も自身の権力を象徴する高い建物ごと蹴り落とされるというのが、上手い符合の当て嵌め方でもある。
キャプテン・クロもそうだが、こういった敵のバックボーンと絡めた倒し方は、意図的にしろ偶発的にしろ非常に良く出来ていた
『ONE PIECE』に関しては、敵をブッ飛ばすその勧善懲悪さが好きだ
続いて特徴的な悪役の描写が、一目で悪人だと分かるデザインのアーロンだ。
極悪ヤクザvsマイルドヤンキーといった具合の対立構図は、ちょっとした社会の縮図の様でいて後の勝利でのカタルシスも強くなる。
高慢な性格を表すのが、そのギザついた凶悪な天狗鼻というのも分かりやすく面白いアイデアだ。
他の少年漫画では不殺の縛りがある『ONE PIECE』の決着が特色だ
初期はトドメ技が印象的であり、キャプテン・クロとの闘いではルフィのルーキーという立場が活かされている
御託を並べる悪い大人に対して加える制裁は、ゴムゴムの鐘という名の"頭突き"だ
活をブチ込む様なヤンキースタイルが魅力である
アニメと同じく全五部構成からなる漫画版は、そういった超常的存在との決着の付け方が連続しており、少々マンネリとも言える似たようなパターンとなっていく。
アニメ『S』での決着では、セーラームーンが敵を"倒す"のではなく、消滅寸前の場から土萠ほたるを助ける事に焦点を置く捻りが加えられた。
次作の『R』では、ちびうさとセーラームーンの親子による2つの銀水晶の力で敵を滅ぼすという、前作同様の王道さを見せる
漫画版でもこういった高揚感を高める展開がなされており、ダーク・キングダム編でのエンディミオン=タキシード仮面に支えられての勝利は、アニメ版にも負けないカタルシスである
基本ドラゴンボールの決着方法は、一度やった倒し方はもう繰り返さないという縛りの様なものがある。 ストレートな決着に相討ちや双方痛み分け等、初期から様々なバリエーションを展開してきたのが特徴だ。
そして原作最後の敵である魔人ブウ戦では、世界中の人達からの力を貰い元気玉で消し飛ばすという方法で決着となる。
ただ敵を討ち倒すだけではなく、悪役に敬意を表してトドメを刺す最終的な幕引きは、シリーズ随一の名場面として今尚深く刻まれている。
『ドラゴンボール』の中で最もカタルシスを感じさせるトドメの演出は、セルとの決着シーンであろう。
悟空と悟飯が力を合わせて放つ親子かめはめ波は、従来の少年漫画らしい勢いによる"熱さ"と悪役を吹き飛ばし消し去るという定番イメージをも植え付けた。
そんな中で1つの変化球であったのが『ドラゴンボール』の中での決着の付け方だ。
悟空と最も因縁深い宿敵フリーザとの闘いでは、高揚感溢れる勝利とは言い難い、虚しさと苦味を伴う結末として悪役の最期が演出されていた。
日本の少年漫画の固有の様式では、敵を倒す際の演出というものが重要視されている。
仲間同士が力を合わせて敵を討ち倒し、読者の高揚感を高めるという『聖闘士星矢』を代表とした見せ場は、少年ジャンプだけではない他の少年漫画雑誌にも共通するフォーマットとして定着した。
漫画版『風の谷のナウシカ』に登場したナムリスは弟に対する劣等感が故に権力を志向したが、その本質は歪な内面性にある。
事が終わると燃え尽きて虚無的な思考となり、自分の命すら蔑ろにしたままゴミの様に空へと消える。
屈折感情を交えたそのシニズム観は、宮崎駿が最も力を入れた悪役造型だろう
ドラゴンボールって数字で強さを計るのが昔から定番だけど、バカみたいに桁が膨れ上がる表現がちょっと苦手で..。
スカウターで戦闘力を計る設定はサイヤ人編とナメック星編までで、後は結構アバウト。
だから強さの物差しの例えで、べジータとフリーザの名を出した超の亀仙人には成る程と感心した。