まだ最期は迎えてはないが、近年稀に見る邪悪な狡猾さを見せた『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉は、この手の描写で最も優れた幕引きをしてくれそうな悪役の筆頭だろう。
様々な曲者が登場する作中人物の中でも物語を牽引するパワーがダントツで強い存在であり、見る者をその魅力で惹き付ける引力も凄い
80~90年代に連載してた漫画版パトレイバーの頃と、なんら価値観が変わっていないので感心してしまう。
「週刊誌の作り方知ってるかい?」から始まる内海課長持論は、いつの時代も至言だ。 https://t.co/ldlW0sOIzK
トレンドにある死恐怖症という概念、手塚治虫の『火の鳥』では輪廻転生の理があるけれど、永遠に人間には生まれ変われないという発想もそれはそれで怖かった。
そして原作最後の敵である魔人ブウ戦では、世界中の人達からの力を貰い元気玉で消し飛ばすという方法で決着となる。
ただ敵を討ち倒すだけではなく、悪役に敬意を表してトドメを刺す最終的な幕引きは、シリーズ随一の名場面として今尚深く刻まれている。
幽遊白書の飛影は身長170cm無いけど、作中で一番カッコいいのだ。
#幽遊白書
間久部緑郎の知的美形悪役イメージの発展系であったのが、『MW』(ムウ)の主人公である結城美知夫だ。
ロックよりも冷酷な嗜虐心を持つ結城は人間の裏表の恐ろしさを如実に見せる。
自己破滅型な性格や同性愛にまで踏み込んだ描写等、手塚悪役の中では最も退廃的な耽美性を極めたキャラクターだろう。
90年代少女漫画の大家CLAMPは様々なイケメンキャラクターを描いてきた。
その中でも最も強烈な後味を残した美形悪役が『東京BABYLON』に登場する桜塚星史郎だ。
物語の程において主人公、皇昴流とは敵対する関係では無いが、妖しさのフラグを回収した終盤、その虚無的とも言える冷酷さを露にする。
今ではちょっと入手困難な忠津陽子の漫画『ハロー!王子さま』
同時期のキャンディ・キャンディや、はいからさんが通るに比べると女性キャラの斜め角度の頬がふっくら丸い曲線で描かれていて、今見ても可愛いと思える
男性ウケする美少女絵デフォルメの兆候があり、初期の高橋留美子のバランスにも近い
#この漫画知っている人で100いいね
『綿の国星』
幻想的な絵本を見てるかのイメージ。とにかく雰囲気が良い。
あの時代の24年組の作品は、どれもなんだか文学的だ。
『ヘルシング』の作者、平野耕太もまた、少年に対するフェチズムが垣間見える漫画家だ。
作中に登場する少年形態ウォルターのヒップラインや腰付きの線画描写には、性癖を拗らせし者の所業を強く感じる事が出来る。
その価値に値しないと判断した星史郎は、大きな犠牲と爪痕を残し昴流の元を去る
どちらにしろ他者との関係性を試そうとする時点で、心は他者を求める事の裏返しでしかない
最終話、霊視した少女の霊が語る「悪いことをする人はみんな『寂しい』のかもしれないね」の言葉は普遍的な真理として深く刺さる