漫画版ではディオスと暁生のデザインは微妙に異なり、さいとうちほの代表作『円舞曲は白いドレスで』に登場するサジットに酷似している
この作品のウテナへの影響は強く、サジットは「世界の果て」にならなかったディオスだろう
革命への理想を失わず、ヒロインにとって気高き王子であり続けた存在だ。
1981年に週刊少年ジャンプで連載開始した『ストップ!!ひばりくん!』は、先進的なジェンダー要素を扱ったギャグ漫画として登場した。
女装をした男の子が、主人公兼メインヒロインとして少年誌で活躍する。
これは前代未聞かつ画期的な試みであり、あらゆる意味で問題作、そして重要な起点ともなった。
60年代から活躍した西谷祥子の代表作『マリイ・ルウ』等では、ヒロインの初恋の相手は歳上で憧れの対象でもある男性だ。
だが失恋の経験を通して、身近な同年代の男性に本当の愛を見出だし共に成長しながら育んで行くという帰結は、少女漫画の恋愛観での一つの方向性、新たなフォーマットとなる。
#自分が心から共感したキャラのセリフ選手権
人が元来持つルッキズムを根拠に、人間の原罪と愚かさを語るオロカメン。
その説法を聞かされても尚、人間を信じると答えたデロリンマンの台詞。
この2人の性悪説的な問答そのものに、あらゆる角度の共感性が散りばめられている。
『うしおととら』や『からくりサーカス』にしろ、藤田和日郎作品以上にレギュラーキャラの退場のさせ方が上手いのは、他にないんじゃないかと今だに思う。
#心に残ったキャラ達の死に様選手権
設定では男の子なひばりくんだが、少年らしい描写は無く中身は殆ど女の子だ。
男でありながら女の子の魅力を持つ、謂わば"男の娘"キャラの始祖である。
この今までに無かった設定の背徳感が持ち味となり『ストップ!!ひばりくん!』は少年愛ジャンルの中で、初の男性読者向けの方向性を築く事になる。
パワーだけならば弟子達の方が上回っているという描写は、初期の頃からあった。
それでも亀仙人が長らく悟空達の師匠でいられたのは、戦闘力だけではない達人の"技量"があったからだ。
かつて弟子2人に教えた、5ヶ条を再び唱える姿は"あの頃"の『ドラゴンボール』への原点回帰と上手く繋がって行く。
武術全般の理念である"功夫を積む"とは正にこういう事だ。
経験予測に加えて、其の"精神性"が武道家の強さに繋がるという帰結にも、古来からある中国武術の哲学とロマンが垣間見える。
強さの価値基準の方向性を修正した、亀仙人はやはり作中一番、そして悟空にとっても一番の師匠であった。
漫画の名シーン、悟空とフリーザ絡みも名場面が多い。
フリーザにトドメを刺した時の台詞を用いない、悟空の何とも言えない表情が特筆だが、コレ以降から悟空は激情型ではないドライで達観した性格付けになっていった気がする。
月刊アフタヌーンで連載されていた植芝理一の漫画『ディスコミュニケーション』は、登場人物達の様々な偏愛やフェチズムを倒錯感満載で描いたアヴァンギャルドな作品だ。
"少年愛"を基礎としたキャラクターも何人か登場し、それらは強い拘りの元に描写される。