江口寿史の画力、そしてひばりくんの挑発的かつ小悪魔の様なキャラクター造型からなる魅力が遺した爪痕は深い。
自分もひばりくんが実際に、この世に存在しない事実の悲しさに身悶えする程だ。
同じ80年代にも、江口寿史の作風やスタイルに影響を受けた後続作品が幾つか登場する。
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水木しげるの原作版ねずみ男の価値観は、こういうネタに最適だ。
こうして見ると、初期は亀仙人という師匠の存在が"軸"となっているのがよく分かる。
早い段階で前線から退いた亀仙人だが、展開が進むにつれてインフレ・バトルに置いていかれた者の苦悩を見せたりもした
わざわざこうした描写を挟むというのが、作者にとって思い入れのあるキャラクターなのだと窺える
その最期も自身の権力を象徴する高い建物ごと蹴り落とされるというのが、上手い符合の当て嵌め方でもある。
キャプテン・クロもそうだが、こういった敵のバークボーンと絡めた倒し方は、意図的にしろ偶発的にしろ非常に良く出来ていた
『ONE PIECE』に関しては、敵をブッ飛ばすその勧善懲悪さが好きだ
喧嘩っ早くて助平な土方と、おっとりとした性格の美少年・沖田の友情とロマンスを描いた漫画だが、ちゃんと土方に対するメインのヒロインが存在するのでBL物では無い。
ただ作者の嗜好により軽いBL「ぽさ」はあるので一見の価値アリ
因みに女装を披露するのは、沖田ではなくガタイの良い土方の方だ。
しかし身内の死で激しく動揺し、孤独を恐れるというのも今やルフィの大きなコンセプトの一つ。
奇しくも「一人になるのは痛みよりも辛い」という観念の要素は、異色作なオマツリ男爵で予期するかの様に描かれていた。
家族を失ったウタや孤独の恐怖に殺された男爵は、もう一人のルフィとしての陰画だ。
柴田亜美女史による『南国少年パプワくん』内での描写も少年愛への拘りが見てとれる。
主人公の一人シンタローは、離れ離れになった美少年な弟コタローを想う度に鼻血を垂れ流す良き兄として描かれる。
続編『PAPUWA』でコタローは、ワガママでSっ気のある魔少年へとグレードアップし魅力を高めた。
使命の為ならば泥を被る事も厭わない高潔な精神性とも取れるが、内心では底辺ヒーローのロールシャッハを見下すという世界一頭が良い故の傲慢さが悪役たる最大の所以だろう
亡きロールシャッハの手記によって悪事が明るみになるのが示唆されるラストとなるが、その末路が描かれない最期が秀逸であった
デロリンマンと云えば、最も面白いのが"オロカメン"の存在だ。
デロリンマンの愚行を見下ろしながら、「オロカモノメ!」と高い位置から物を言う謎の仮面の黒マント。
オロカメンがデロリンマン、或いは読者に説く説法は、ある種の面では世の中の真理を鋭く突いて見せる。