そして原作最後の敵である魔人ブウ戦では、世界中の人達からの力を貰い元気玉で消し飛ばすという方法で決着となる。
ただ敵を討ち倒すだけではなく、悪役に敬意を表してトドメを刺す最終的な幕引きは、シリーズ随一の名場面として今尚深く刻まれている。
トレンドにある死恐怖症という概念、手塚治虫の『火の鳥』では輪廻転生の理があるけれど、永遠に人間には生まれ変われないという発想もそれはそれで怖かった。
永井豪による漫画『デビルマン』に登場した飛鳥了もまた、美形悪役として早い段階での特徴が見られる。
主人公、不動明の親友であり宿敵デーモン撲滅の為の協力者だったが、その正体はデーモンを率いる神である大魔神サタンだ。
両性具有という設定と、明に対する執着は退廃的なロマンス要素を見せる。
「ライバルキャラ」とは実に面白い区分けをされたキャラクター表現だ
敵対はすれども完全なる敵=悪役とは違い、主人公と身近に感じられる等身大の描き方をされた"好敵手"といった別名でも呼ばれる
そんなライバルキャラの紀元と成り立ちの歴史を、様々なジャンルから一旦整理してみようと思い立った
"男の娘"文化の根付きが浅い時代にコロコロのヒロインが男という事実は、当時の小学生男子にトラウマと歪んだ性癖を植え付けたと云われているが定かではない。
急遽打ち切りとなり今までのシリアスな伏線を放り投げて、桜のトランスジェンダー要素の掘り下げに尺を全て費やしたのは英断だった。
『リーグ』2作目では、ウェルズの『宇宙戦争』に登場した火星人が19世紀の英国に襲来し、紳士同盟が立ち向かう筋立てが正にブリティッシュ・アべンジャーズ。
役割が殆どハルクな、ハイド氏が1人で火星人部隊を殲滅するラストが見所だが、このシリーズは回を増す毎に方向性がブッ飛んで行く。
「週刊誌の作り方知ってるかい?」や「給料のいらない従業員」とか、漫画の名言は大体パトレイバーで事足りる感。
漫画版パトでの後藤隊長と内海課長は、当時のゆうきまさみの思想を代弁する特別なキャラクターだったように思う。
#後世に残したい漫画の名言
間久部緑郎の悪人イメージを継続させ、よりエゴイズム満載なキャラクターとして演じて魅せたのが『アラバスター』でのロック・ホームだ。
己の美貌に耽溺するレイシスト耽美主義者なロックは、自身の顔が傷付いた時に激昂するナルシスト美形キャラの元祖とも言える。
幽遊白書の飛影は身長170cm無いけど、作中で一番カッコいいのだ。
#幽遊白書
道徳規範から外れた非道なるロックの犯罪行為は、ある種の痛快さをも読者に与える。
唯一心を許した親友への葛藤や対立等、本来の主人公トッペイを差し置いて物語の筋は、如何にロックが世界と敵対して闘って行くかがメインな悪漢漫画となった。
その価値に値しないと判断した星史郎は、大きな犠牲と爪痕を残し昴流の元を去る
どちらにしろ他者との関係性を試そうとする時点で、心は他者を求める事の裏返しでしかない
最終話、霊視した少女の霊が語る「悪いことをする人はみんな『寂しい』のかもしれないね」の言葉は普遍的な真理として深く刺さる
1991年に月刊コロコロコミックで連載を開始した『バーコードファイター』のヒロイン・有栖川桜は、登場した当初は女の子として扱われていたが話もソコソコ中盤になって、実は男の子である事が発覚し読者の度肝を抜いたパターンだ。