イラストレーターの唐仁原教久さんの漫画作品「春機発動遊画・王道楽土」(敵も味方も関係なく歴史という時間の中では同じように結ばれている)
あまり知られてないがこの作品は福本和也、大倉元則先生の「どまんなか」矢吹丈のまなざしと星飛雄馬の投球フォームを併せ持つこの主人公はとても魅力的だ。そしてこの作品は名作、「ちかいの魔球」の続編でもある
「どまんなか」はちかいの魔球から10年後に発表された。ちかいの魔球の主人公二宮光が登場する(顔がなぜかかなり変わっていて魔球の精度が当時より上がっている!)そしてこの作品は続編と共に前半、ちかいの魔球のリライトの性格を持つという異色の作品なのだ
ちかいの魔球、どまんなか共に主人公は最初から魔球を投げる少年として設定されている。最初のエピソードが大事な大会に出ようとするが相手チームの妨害にあい、なんとか勝利するが大会に出場できなくなるというのが同じ。最初のライバルが俊足ランナーというのも同じ。その他にも重複するシーンが多い
戦争ごっこをいつも本気でやってしまう少年。友達を傷つけて校長先生に優しく諭される。でもそれが不満な少年はある日2丁目1番地恐怖団という、ごっこではないグループに勧誘され悪い大人を退治する。次のターゲットは孤児院を経営する少女。驚く少年の前に現れたグループの団長はなんと校長先生だった
この作品は山上たつひこ先生の「2丁目1番地恐怖団」です。山上先生はストーリー劇画時代とギャグ漫画時代に真っ二つに別れます。ギャグ漫画は一世を風靡したが後世に残るのは光る風を代表とする劇画時代かもしれないですね
「だらしない生活をしてると病気になりますよ」終戦3年後(昭和23年)に描かれた #手塚治虫 先生の吸血魔団。こんな前がきを書かれていますが内容は人間(工場のような)の身体の中でミクロ化したケン一くんと擬人化した結核菌の少女との悲恋ものなのです!天才の想像力って凄い
人体内の菌の擬人化の先駆的な作品「吸血魔団」は残念ながら全集未収録。しかしリメイクの38度線上の怪物は入手可能です。読めば読むほど目眩がする。可愛い結核菌の少女のこの訴え。もうジャミラやノンマルトの次元じゃないのよ…このレベル。結核菌の主張!おまけに悲恋物。凄すぎる。 #手塚治虫