なのでHELLSING10巻p138「THE SHI」はSHEの綴り間違いではなくあくまで本作の「シ」へのオマージュだと思う。
上に書かれている「ANFANG」はドイツ語で「始まり」。「NO.」は単にナンバーの略と思われる。
始まりがシとはどういう事か、それは百億の昼と千億の夜では主題として表現されている(続く)
HELLSING7巻p135~6 少佐の計画は敵も味方も滅びる、心中に近い物だと説明されている。そこで「野心の昼と諦観の夜」(p136)が使われているのは上記の意味と掛けているのかもしれない
p111 逃亡兵が処刑され、罪状が書かれたプラカードと共に街灯や木に吊るされている。これは史実なので本作以外にも同じシーンはあるが、「逃亡兵」「敗北主義」の語が並んで出てくるのでHELLSING4巻p189 「敗北主義の逃亡兵達を街灯上に~」の直接の元ネタかもしれない
「黒騎士物語」(1982)
小林源文作、WW2ドイツの架空の戦車中隊の漫画で同作者の漫画題名はHELLSINGと同作者の「大同人物語」に幾つか見られる
p110で中隊長が軍法会議で上官に「俺のケツでもなめろ」と言うのはHELLSING4巻p88と似ているがドイツの暴言としては一般的なので元ネタとは言い切れない
「帝王」(1982)
フレデリック・フォーサイスがヘミングウェイの「老人と海」を元に書いた小説。HELLSING5巻p9でフォーサイス関連作が挙げられている中の「こんにちは「帝王」です」は本作と思われる。漁師が帝王と呼ばれている巨大カジキを獲ろうと奮闘する内容で、帝王は老人の事ではない
「ジャッカル」(1997)
「ジャッカルの日」(1973)のハリウッド版リメイクで、ブルース・ウィリスがジャッカル役。
HELLSING5巻p9ではブルース・ウィリスを元にしたパロディキャラがリメイク元をモデルに硬派に描かれたジャッカルによって射殺され、「そいつはニセ者だ」と言われている。
「ジャッカルの日」(1973)
「戦争の犬たち」(1980)と同じくフレデリック・フォーサイス原作でフランスのド・ゴール将軍暗殺未遂事件を元にした暗殺者映画。
HELLSING5巻p9の人物は本作の暗殺者”ジャッカル”で、OVA5巻冒頭では映画本編の狙撃失敗シーンが忠実に再現されている。
「タクシードライバー」(1976)
袖口仕込み銃「スリーブガン」を有名にした、名作と名高い映画。HELLSING09巻p122でルークがこれを使っている。スリーブガン自体は他作品にもあるので元ネタとは断定出来ない。
売春婦の少女が「Easy」という偽名を使っていたのはドリフターズの元ネタかもしれない
「ぱふ」2005年12月号p32 原作者へのインタビュー
--描きこみが細かいですよね。ここ数ヶ月、本誌の方は兵隊がいっぱいで。
平野 もううんざりなんだよ!うんざり!うんざり!うんざり!兵隊もナチもヴァチカンももううんざりだ!うんざり!兵隊兵隊死体兵隊兵隊死体死体死体!死ねばいいん(続く)
7話「 これだ、これを見たかったんだ、汚れた出来事を忘れ去るために作られたこの地が、偽善の名の化粧をはぎ落とし、再びその正体をあらわす姿を!」クライマックスで怪球フォーグラーによって人類への復讐を遂げる幻夜の台詞はHELLSING7巻p134の少佐の元ネタでしょう。