本作の真田中佐は仕方なく戦争を楽しんでいるといった差異はあれど、HELLSING4巻p186「私は戦争が大好きだ」の本歌である可能性はある。
給料の低い傭兵が戦争を愛する要素はHELLSING6巻p139~40 ベルナドットと祖父の会話とやや共通する。
6巻p198(2001年06月25日初版)
新城「戦争は大好きです。好きで好きで夜も眠れないほど」
この時点の新城の階級は少佐
HELLSING4巻p186(2001年9月掲載)
少佐「諸君、私は戦争が大好きだ」
4巻p111(2000年1月25日初版)
「こう申し上げては何ですが」藤森が訝しげに訊ねた「楽しそうですね」「うん、楽しい」新城は恥知らずにも口にした
HELLSING2巻p160(1999年10月掲載)
「楽しそうですね 代行」「ああ楽しい。とても楽しい。闘争だよ」
HELLSINGの方が前なので無関係と思われる
2巻p54「総員、大隊長殿を救え!突撃!」
莫迦野郎。どうしようもない大莫迦野郎。新城は思った。この僕を救えだと?」
新城が己を犠牲にして味方を生かす作戦で意に反して助けに来た部下への台詞
HELLSING8巻p125「この…この馬鹿野郎!!」
アンデルセン神父を助けに来た13課の場面と似ている
2巻p47~8 猪口曹長「地獄で迷子になるよりも、いかれた指揮官と一緒に鬼どもと一合戦交えたほうがましです」
新城「ならば、少しばかり楽しんでみるとしようか?地獄へ向けてまっしぐらだ、曹長」
HELLSING6巻p171「地獄の悪鬼と合戦所望する也」
HELLSING8巻p128「これより地獄へ驀地に突撃する」
2巻p44「若殿様、あれは戦場音楽です。銃を用いない戦闘の。自分の父が戦っていたような、男が真価をかけるべき戦いの」
HELLSING7巻p160~1「音楽を奏でている。戦場音楽を」「戦争音楽…!!」
1巻p115(漫画版2巻p90)「そいつは素敵だ 面白くなってきた」
HELLSING10巻p103「88mm………!!そいつは素敵だ 大好きだ」
主人公の新城が戦況悪化の報を聞いた際の台詞で、HELLSINGでは逆説的に用いられている訳ではなく本歌に沿った用法である事が分かる
ト死ネテ、ソレデ嬉シクハナイノカ」
「ソレダケジャ嫌ダ モット、何カガ必要ナノダ」
遂ニハ鉄拳ノ雨、乱闘ノ修羅場トナル
なのでHELLSING10巻p138「THE SHI」はSHEの綴り間違いではなくあくまで本作の「シ」へのオマージュだと思う。
上に書かれている「ANFANG」はドイツ語で「始まり」。「NO.」は単にナンバーの略と思われる。
始まりがシとはどういう事か、それは百億の昼と千億の夜では主題として表現されている(続く)
HELLSING7巻p135~6 少佐の計画は敵も味方も滅びる、心中に近い物だと説明されている。そこで「野心の昼と諦観の夜」(p136)が使われているのは上記の意味と掛けているのかもしれない