白石晃士監督の「コワすぎ!」シリーズの漫画化。オリジナル実写映画を初出から10年以上経って漫画化するというおおよそ類例が思いつかない企画だけど、原作の手触りは漫画に出てて工藤D、市川AD、田代カメラマンの三人組が確かにあの三人組なのですごい。
映画がモキュメンタリ方式だったのに対して、漫画版では「カメラが回ってない間」をシーンとして描くことを明確にしてるの、劇的なカメラワークとアクションがつけられるし、正しい取捨選択って感じでいい。「実写には偶然が映るけど、漫画には作為しか描かれない」ってことに自覚的で適切な演出。
人見知りの主人公の世界が広がっていく、みたいな建て付けの漫画で「殺風景な部屋にカーテンを買おうと思う」くらいのウェットなエピソードをやる一方で、ここまでドライでシステマチックな人間関係も描くの、独特なバランスだ。でも、誠意があっていい。
レストランの多店舗展開、店を任されることになった主人公、という王道的な展開から「職人的な世界の産業化とは部分的な下位互換を複数人連携させることにより名匠の再現を確立させることである」とかなりシビアな産業論を打ってくるの、すごい。なかなか言えないよ、こういうの。
勝負論を語る会話劇とかは二転三転があって面白いし、シリアスギャグやクセのあるキャラもすごくいいのだが、ギャンブルパートが本当に複雑……!! 手札や選択がオープンになった瞬間にスパッと結果がわからないことも多いし、ちゃんとゲームデザイナーが入ってルールと局面作れんものか……
デレマスの二次創作漫画(怪人と化したPにアイドルが吸引されてるやつ)で知られる1億年惑星先生のオリジナル単行本。8歳の幼女が魔法少女に変身して終わってるおじさんを助けたり吸引されたりしている。時々、祈りみたいな哀しさが出てくるので不意に沁みるんだよな……
Twitterでたまに見かける「足の裏は確かにセックスですけど」の前日談エピソード出てきてびっくりした。あれ、編集部が舞台のエピソードの1話目じゃなかったのか……
「勇者」が誰かわかると戦況が不利になるから人間側はダミーを含めて200人以上が「勇者」を名乗る撹乱作戦をとっている、という話の部分は面白かった。最近のチー付与でも呪官の話があったけど、こういうの好きなんだよな。
おもしろいけど、みょーちゃん先生が夫との性生活を語れば語るほど脳細胞が壊れていくのを感じる。俺も毎日この「もっとちゃんと性交を取り締まってよ!」「毎朝性交禁止のお触れを出してよ!」みたいな気持ちだよ。