『忍者武芸帳』には様々な忍術が登場しますが、最高なのが「病葉（わくらば）の法」。死体に化ける忍術ですが、まず腕を一本切り落とし、道ばたで死んだふりをする。敵が油断して近づいてくるまで、カラスに目をつつかれたり、傷口にウジが湧こうが微動だにしない。この術のポイントは「我慢」です。

そもそも白土に子供向けの意識はありませんでした。漫画表現は、進化の過程で「子供」の枷が外れ、50年代末に「劇画運動」として結実するのですが、白土三平は「劇画」の旗手であったのです。

白土には確固とした作家意識があり、作家が意識的に選択した表現としての残酷描写でした。白土には子供時代の戦争の記憶、また「アカの子供」として差別されていた体験から、世の中の本質が残酷にあると分かっていたからです。「赤旗」は子供に有害な表現として『忍者武芸帳』をやり玉に挙げましたが、

明美は優秀な忍者なのですが、運悪く重太郎の子供を身ごもった臨月の状態でした。敵から身を潜めている最中に破水が始まってしまい、発見される。そこから延々12ページに渡って繰り広げられる惨殺シーンは、漫画史上に残ると言っても過言ではありません。

たしかに『忍者武芸帳』の残酷描写は凄まじい。主人公の一人に重太郎という青年剣士がいますが、彼の恋人が明美という女忍者で、影丸の妹。これが敵忍者の集団に嬲り殺しされます。敵を率いているのが女忍者の蛍火で、蛍火も重太郎に惚れている。つまりこの場面は女の嫉妬心が招いた残酷表現です。

白土三平の父親は画家の岡本唐貴で、共産党員でもありました。白土が父親の影響を受けて当然なのですが、皮肉なことに戦後の共産党が「悪書」としてやり玉に挙げたのが白土の『忍者武芸帳』だったのです。赤旗には死体の数が一冊何百体とカウントされ、子どもに害がある漫画として糾弾の対象に。

パンを咥えて「いっけなーい、遅刻ちこく！」と女子が駆けていく図は実際の少女漫画で見つけるのは困難だと言われているが、実は「ガラスの仮面」には2回も出てくる。

ゾゾの前澤友作さんと聞くとこの漫画のお金持ちを思い出します。

「のらくろ」がゴジラっぽい怪獣と戦う「怪獣退治」をノンCGで映画化して欲しい。このまったりとしたテンポはCGでは表現困難。

ところで「忍者武芸帳」の描写が残酷極まりないのは事実で、女忍者明美は主人公の子を身篭った臨月だった為、完全に身を隠すことが出来ずに破水した血の匂いで発見され、数名の敵忍者に胎児ごと五体バラバラに切り刻まれて殺される。作者のリミッターが完全に外れている。

よりにもよって毒電波のページを展示するとはキュレーターのマニアックさが際立ってます。このページ、精神科医の斉藤環先生から「本物にしか見えない」とお墨付きをいただきました。

@keiichisennsei やはりパンティは幻だったのか。