楳図かずお『妄想の花園──単行本未収録作品集』(小学館)
単行本未収録の作品を集めた、ということで、いまいちなものが多いんだろうな、と期待していなかったものの、さすがは楳図かずお、良い意味で期待は裏切られて、レベルの高さに満足。
長年の江口寿史ファンとしては、残念な心持ちで過ごしているこの数日。「もうインターネットの時代なんだから」と20年くらい前に誰かが指摘してあげたら良かったんだけどな。時代錯誤は本人の責任だけど、SNS時代らしいバッシング祭りには嫌悪感。かつて心を病んだ人だという印象もありますしね。
関すすむ『怪獣サタンゴ』(ひばり書房)。サタンゴの作り方や、大小便をしないことや、弱点などについても明記していてくれて、親切なマンガです。主人公の造形が、明らかに石森章太郎(当時)の『サイボーグ009』の島村ジョーに影響を受けすぎてます。
森﨑東監督『美味しんぼ』(1996年)を観た。海原雄山のモデルは北大路魯山人、それに近いイメージの三國連太郎が登板。実子の佐藤浩市が山岡士郎を演じたが、当時は親子間に確執があり、ほとんど役柄そのままだったそうだ。
聖書って、まあまあ不健全だと思うんだよね。人類史上最初の殺人事件は人類史上最初の兄弟で起こるし、ふたりの娘は父を酔わせて性交して子作りするし、神は民の信仰心を疑って試し行動しまくるし、婚約者のいる処女にわが子をみごもらせて、そいつが誣告されて処刑されても、何もせず見殺しにするし。
「そう 弱者には虫唾が走る 反吐が出る 淘汰されるのは 自然の摂理に他ならない」「お前の言ってることは 全部間違ってる お前が今そこに居ることが その証拠だよ 生まれた時は誰もが弱い赤子だ 誰かに助けてもらわなきゃ 生きられない」