山下よしお「泥にまみれた葬送曲」から一コマ(最下段の右側)
この本の中で、個人的に最も味わい深かった
これだけ見せられても、全く意味不明だろうが、とりあえず、味わってほしい
ちなみに、少女が何故、あんなタヌキになっているのか、何度読み返してもよくわからない
これが貸本の味と言えば味
「宇宙人・UFO 宇宙怪獣ものしり大博士」(桃園書房/1980年7月1日)
極めて低レベルな大百科本で、読む価値はない
徹頭徹尾つまらないが、特に印象に残ったのは「ヒーローテスト」
著者のやる気のなさ、投げやりさがひしひしと読者の胸に迫って来る
後に残るのは、気を滅入らせる、薄ら寒さのみ
「きれいな秘密」(190円/1963年頃)
赤ん坊を捨て、外国で成功した女性が帰国して、娘と再会するが…という内容
個人的には、石焼きイモ売りの描写が興味深かった
石焼きイモっていつ頃からあるんだろうか?
この漫画から判断する限りでは、1960年代前半には既に石焼きイモは冬の風物詩だったみたい
最近、多摩海人という漫画家が気になっている
唐沢俊一氏は「超カルト作品」と評したが、確かに、そのスジの人には絶大にアピールするものがある
ストーリーが独特で、それにあの素朴な絵が組み合わさると、怪奇とはまた別の何かに横滑りしているように思う
その何かをうまく言葉で表せず、もどかしい
横山まさみち「わが青春にクソあり」
他人の家の便所を掃除してまわる男子中学生が主人公
彼の目的がラストで明かされるが、それは便所の悪臭をなるべく吸わないようにして、肺活量を鍛えるというもので、水泳大会にて断トツの一位になってます
でも、感動にもギャグにも程遠い、ビミョ~な作品です…
とどろきわたる先生「虎殺し」(日の丸文庫)
家来に虎の皮を被らせ、槍で刺殺させる、嗜虐的な若殿の話…かと思いきや、途中から、カンガルーを飼い始め、虎殺しの件はどこかに行ってしまう
とにもかくにも、カンガルーが出てくる時代劇画はこれだけでは?
次は、コアラが出てくるものを探してみよう
いろんな爆弾はあれど、蛙爆弾というのは初めて見た
なかなかの威力です
(画像は、橋本将次「蟇(ガマ)侍」(兎月書房)より)
英圭介・作/菅沼要・画「チングセイグ博士のセクシーマシン 乳房ぼうちょう車 ボインやおまへんカー」
マッドな博士が発明した車で、日本中の女性を超巨乳にして、男共をダメにしようとする。ウルトラSEX警備隊が対策に乗り出すも…という話
ぶっちゃけ、骨の髄までいかれた漫画です
最高だ!!
「もう母さんはいない」(170円)
純子は、親友の姉がアル中の父親のせいで失明しそうと聞き、治療費の工面に奔走。それを契機に、死んだはずの母親が精神病院にいることを知る…という物語
印象に残ったのは、アル中の父親のたそがれ方と、ラストの骨壺を下げた少女の描写(他の絵じゃダメなのか?)
この作品で斬新だと感じたのは、誘拐した女性が雑誌記者で、自分が起こした誘拐事件の記事を書くことになる展開
誘拐した娘の家族にインタビューするくだりはあまりに挙動不審で、味わい深い
そして、やっぱり、編集長に怒られてます
望月みさお「わが子を返して」(150円/東京漫画出版社)
「母と誘拐魔」のサブタイトルだが、表紙のサングラスの男は全く出てこない
ある女性が、死んだ娘に似た女児を家に連れ帰り、だまして家に置くが、世間では誘拐事件として騒ぎとなる物語
嘘に嘘を塗り重ねて、あたふたする様がどことなく滑稽