犬木加奈子「教室は何を教えてくれる?」(井上雅彦編「異形コレクション 教室」)
学校という閉鎖的な空間を、子供という純真かつ歪なレンズを通す事によって、人間の実相がおぼろげに浮かび上がる(うまく表現できず、もどかしい)
15頁しかなく物足りないが、恐ろしく鋭敏な感受性は心に突き刺さる
実は怪奇漫画と縁の深い平野仁先生(「少年の町ZF」は傑作!!)
デビューがいつなのかよくわからないが、「東京へ来た男」(原作・山下愉一/「コミックミステリー」1968年10月創刊号)という作品がある
モノクロの効いた、きびきびとした描線が印象的
キャラの特徴はもうこの頃から確立してたんだな~
渡辺美千太郎「花笠七変化」(「龍虎三人集」)
渡辺先生は最近復刻された「赤太郎奇談」の作者で、怪奇もの以外を初めて読む
まず、高い画力に驚き!!
とても洗練された内容で、古めかしい物語も新鮮に感じた
時代劇や講談の知識があれば、もっと深く味わえるのになあ…
更なる復刻を期待しております
成田アキラ先生「おっとろしい女」(1973年「臨時増刊土曜漫画怪奇特集」)
エッチ体験漫画の大家だが、実は怪奇マンガもあった
酔っ払いがバーの女の誘われるが、女は蛇女で…という内容
蛇女が奇妙にユーモラスなのは、叔父のムロタニツネ象先生の影響?
成田漫画とエロは相性がいいと再確認しました
谷ゆきお先生「死皮ごろも」での、主人公の老婆が祈祷所を訪れるシーン。
祈祷所はお休みなのだが、「本日霊休日」にズッコケた。
谷ゆきお先生はいろんなところに妙な小ネタをちりばめており、こんな御人のマンガが面白くないワケがない!!
小学生の頃、「パンク・ポンク」の一話、「パンツ・コレクター・ボニー」のこのコマ(左の画像)を目にした時、たちいりハルコ先生は絶対、天才に違いない!と思った。
不惑を過ぎた今でも、その確信は全く揺るがない!!
関よしみ先生「騒音都市(ノイズ・シティ―)」より、ヒロインが母親と携帯電話で話すシーン。
これって、もろ「山口弁(山口県の方言)」だと思う。
方言とか訛りって、いいよね。
内容は、拳銃使いの少年、コミックが、無法者のジゴマ一味と戦うという西部劇
ストーリーに起伏があり、絵も丁寧かつ読みやすく、中島利行先生の実力の程が窺える
中島先生の作品(特に少女漫画雑誌のもの)はもっと評価されて、どんどん復刻されるべきだと思う
今読んでも、本当に「キュート」です!!
ようやく、前編の「忍法かげろう」読む
豊臣家の末裔、ヒデトは忍者に育てられるが、徳川家の柳生一味に狙われる身となる…という内容
どう見ても「サスケ」な主人公が、貸本時代の「小島剛夕・ワールド」を縦横無尽に駆け回る快作!
白土三平先生の「サスケ」を未読なので、いつか読み比べてみたい
「サスケ」の影響は大きかったようで、幾つかバッタモンが存在する
吉倉健「残酷奇談・下」(宏文堂)
表紙や題名から怪奇マンガと思ったら、戦国時代ものみたい(上巻を読んでないので、詳細不明)
ちなみに、吉倉健は恐らく、左馬一平先生の別名義ですので、ささやかながら、お色気シーンがあります