『Z革命』南竜二
(2020 まんだらけ出版)
読了。
この作品が発表された1961年、ソ連は最大級の水爆「ツァーリ・ボンバ」を開発し、世界は翌年のキューバ危機に向かって緊迫の度合いを高めていた。
一見荒唐無稽な物語だが、当時の情勢を鑑みるにある程度のリアリティがそこにはあったのではないか。
『資料・反合法出版物 噫」
(1973 書肆山谷)
内田栄一氏のアナーキズムが暴走し、左右全方位に喧嘩を売った結果として連載は打ち切り。
これはその闘争の記録である。
今日に至るまで所謂菊タブーにまつわる表現は多々あれど、これは恐らく最大級であり未来永劫復刻はないと心の底から断言出来る。
すがやみつる先生の『赤い死神』が知らぬ間に電子書籍になっていた。ロボトミーや犬神つきを題材とした異色サスペンスホラーだが、最後のオチには驚き。
この機会に是非。
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『現代間引考』
諸星義影(諸星大二郎)
(COM 1971.3)
白痴の娘、かず江は何処の誰とも知らぬ子を宿す。
貧困と父からの暴力の中で彼女が選んだ選択とは。
ただひたすらに重く、陰鬱。
人がどんなに沢山死ぬ漫画でも笑って読める自分だが、これだけは読んでいて辛い。
昔も今も人間は醜悪で愚かだ。
『試し斬り』凡天太郎
(話のタネ本 1968.6.11 )
過去にあった不具や出自によって謂れなき差別を受けた人間による犯罪や復讐譚は、差別を助長するものとして徐々に世の中から消えていった。
だが俺は、かつてそこにあった怒りや恨みのエネルギーに何かを感じる事には今でも意味があると思っている。
『少女幸子』紺野泰介+浦ひろし
紺野泰介の怪奇物ってだけでレアですけど、微妙に楳図先生チックなタッチを入れて怪奇っぽさを演出したりしつつ結局最後はいつも通りの訳わからないオチとか最高以外の言葉がないですよね。
こういう奇跡みたいな出会いがあるから雑誌収集はやめられないんだよなぁ。
そして人の首を刎ねる者は最後に自分の首を落とされる事となる https://t.co/pqzGEClXrE