その後、蛭児神は吾妻ひでおらと協賛関係を結び同誌増刊号『ロリータ』(79年4月発行、2号で休刊)を創刊。同誌には『シベール』の作家陣も参加している。志水一夫は『愛栗鼠』『ロリータ』について「読物ありマンガありキャラ・ヌードありの、正に現在のほぼすべてのロリコン誌の先駆」と評している。
馬波書房(豹高ユキ)の同人雑誌『少年カウパー』の紹介記事(90年頃の『フラミンゴ』から)。この同人誌は70年代から80年代の代表的な少年向け作品(=同人文化圏外)を網羅的にエロパロ化しており、絵柄も各作品を踏襲している。今では「デフォルメエロ」の先駆けと言えなくもない。
ちなみにアユちゃんは次の巻でPTA対学園の紛争に巻き込まれて惨死します。現在まで続く「表現の自由」と「表現狩り」の問題を考える上で「ハレンチ大戦争」は重要な立ち位置にあると思う。永井豪は50年前に回答した。どちらも空しく無意味に散っていくだけって。
半世紀前のジャンプに載った『ハレンチ学園』のこの回は少女写真集『12歳の神話』(1969年)の受容を考える上で興味深いと思う。ポルノとしての性的消費というより「物珍しいから売れる」程度の牧歌的価値観でアユちゃん脱がして児童ポルノ作ろうとするヒゲゴジラ。ある意味、平和で野蛮な時代だった。
個人的に白眉だと思ったのがこのページ(『コンプレックスは~と』)で少女マンガ的な要素が全て詰め込まれてる。まず男性目線ではなく少女目線が前提にあり、そこに思春期少女のモノローグ調、近所の幼馴染みの青年、崩したギャグ顔とコテコテな要素が勢揃い。
初期『フラミンゴ』でお馴染み(要は誰も知らない)緒図乃真朋の単行本。忘れられたマイナー作家で絵も古いが、少女漫画チックな絵柄(今だと「みなすきぽぷり」先生を彷彿させる)で大胆なエロマンガを描くというのは大変面白い試みだと思う。元はパロディだったのが「実用化」するようになった頃。