コミックマーケット87で頒布された『江井ゆうこ本 総集編』(14年12月)にみそか先生本人が寄稿された漫画。画力に裏打ちされた描き込みの少ないシンプルな線がキャラの絶妙な可愛さと柔和さを引き出しており、すごく上品。これは本人にしか描けない。教本たんの作者もこんな感じに見つかればいいな。
60年代末、赤塚不二夫が永井豪の漫画(しかも『ハレンチ学園』以前の、まだ比較的柔らかい絵柄・作風の頃の)をボツにさせたというエピソードがよく分かんないだよね。赤塚不二夫は数年後に不条理の極みたいな漫画を描くわけだけどさ。
謎の漫画家・戸崎まこと。87年頃の『漫画スキャンティ』(光彩書房)に数作発表したことのみ確認されている。その情念あふれるモンドな世界観は、当時同誌で活動していた早見純を彷彿させるが、それ以上に人間の情けなさ、しょーもなさを徹底的に描き出すことでナンセンスの極北に行き着いたと見える。
コミケ28(85/8)における男性向け同人誌の特集。なお、当時は「口リコン」という言葉が、男性向け同人誌を包括していたのは有名。文中には「口リコン同人誌のエロ本としての機能が極端に強化された」とあるが、その結果、二次エロはヌキに特化し、今では「ヘンタイ」(rule34)として世界に拡散した。
日本初のロリコン漫画同人誌『シベール』(1979年)創刊にまつわる吾妻ひでお氏のエッセイ漫画(蛭児神建『出家日記―ある「おたく」の生涯』に寄稿された巻末漫画より)
クセの少ないシンプルな絵柄で描かれるエロ=モブ顔エロですが、ルーツは手塚治虫の「マンガ的な絵柄」を踏まえて直接的な性描写を展開した吾妻ひでお先生だと思います。手塚・石森のシンプルな描線にエロスを見いだした吾妻先生が「エロ劇画」「やおい」に対抗して同人誌『シベール』を1979年に出す。
97年頃『週刊SPA!』が「いじめられっ子カルチャー」を特集(掲載号不明)。柳美里インタビューに始まり、いじめの表現史を見開きで説明しつつ、時代背景を分析(エポックは80年代の根本敬~山田花子~シマリスくん)。また小山田圭吾でお馴染み「いじめ紀行」著者の村上清もインタビューに答えている。
白夜書房元編集局長の末井昭が約50年前に描いた劇画。つげ忠男っぽい濃い絵柄で岡山のド田舎から出てきたばかりの青年とは思えない才気あふれる様がうかがえる。
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