吾妻ひでお先生の金言「ハッキリ言ってシリアスは楽です。バカでも描けます。」(純文学作品集『夜の帳の中で』あとがきより)
精査すると、このま和歩が絵柄・内容ともに一つ飛び抜けてると感じた(もちろん吾妻先生は別格)。そもそも参加した同人作家は、ほぼ全員プロデビューしてるし(残ったかは別)「男性向け同人誌」の原点して最高傑作だと思う。(こうした評価や批評も現物を見ることができない状況だと成立しない)
なお豊島U作はシベ4号に「母さんの血」という劇画調に描かれた兄妹の近親姦まんがを載せている。計奈恵が証言する「メンバー間で是非の意見が分かれた」作品は多分これ。もちろん拒絶と言う物ではなく「(劇画は)シベール〔ロリコン〕向きか?否か?…結構、普通の漫研っポイでしょ」とのこと。
2枚目の「光尾!」は、豊島U作(多分)が5号に掲載した「我が国のTVアニメーションドラマにおける幼女キャラクターの魅力と人気について(以下略)」のパロディとなっている(ちなみに『ガンダム』のキッカは殆どシベの常連キャラだ)。あと楽屋ネタで沖由佳雄が編集長として出てくるのも見過ごせない。
『シベール』読み直してると終刊号に川猫めぐみが寄稿しててビックリした(原丸太が指摘した「終刊それ自体をテーマとした作品」がこれ)。あと森野うさぎの絵柄が分からず、まんだらけで『漫画ブリッコ』を数冊ほど買ってきて絵柄を見比べた(判明分はWikiに記載)。この人の絵柄は特徴的でかわいい。
実は『マカロニほうれん荘』の単行本未収録作品の掲載号(かなりレアらしい)を持ってるんだけど、これがなかなかヒドイ作品で、そもそもいったい誰なんでしょう、この新キャラは。ハシラ書いてる阿久津さんも混乱してるし。人物はまだ丁寧だが、背景が壊滅的にヒドイ。
江口寿史の漫画を読んでたら「隠蔽されたエロティシズム」の直球表現があった。話としては「ドギワ荘」に住む「一見ハスッパで色気がない」紅一点の眼鏡っ娘が「実は超エロボディで超美人」という「ギャップ萌え」にテラさんが振り回されるわけだが、このクリシェこそ「隠蔽エロス」の本質だと気付く。
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先月ぼくはこんなことを言ったのだけど、やはり少女のエロスというのは隠蔽されてあって欲しい。あけっぴろげのエロには神秘性もクソも、掻き立てられる情念もないからだ。例えが正確か不明だが、つげ義春の創造した「笑わぬオカッパの少女たち」のエロスには到底敵わないね。