吾妻ひでおといえば「アンジェ」だ。これらの漫画はオブジェ・マガジン『遊』や蛭児神建発行の『アンジェ』(元シベ同人やサーカスマッドカプセルが執筆。全104頁)に掲載された二次創作だが、どう甘言を弄したのか単行本『海から来た機械』に無事収録された。完全なるプティアンジェになる日は近い… 
   『漫画ブリッコ』に連載されていた中田雅喜(女性)のマニアックなパロディ漫画『桃色三角』は竹宮恵子調のキャラクターに蛭児神建のナニを触らすというような話なんだが、こういう馬鹿馬鹿しいパロディの受け皿になったのが「□リコン漫画」で、その代表格は内山亜紀、みやすのんき、牧村みきだろう。 
   「児童漫画調の可愛らしい絵柄でえげつないことをする」といえば、森野うさぎ先生が先駆者の一人。ぷにろり系の絵柄で三流劇画っぽいバイオレンスを描いている。望月かつみ先生もそうだけど、ルール34の源流はこの辺にあるように思えてならない。 
   アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』最終回のラストシーン、あの独特の余韻って何か似てるなって思ってたんだけど、あれだ。福満しげゆきの名作『僕の小規模な失敗』の最終回のラストシーンだ。どちらも主人公が陰キャのダメ人間なんだけれど、行動力と一芸に秀でていて少しずつ成長していく姿が重なる。 
   某SM誌に連載された山野一の単行本未収録作品『エディプスの天女』発掘!(しかも長編!)これ普通に単行本化できる分量あるし、内容は貧乏とか関係なく妖気・怪談色が強い。ギャグは一切無いが、知覚神経や幻覚・畸形を扱う点は『夢の島で逢いましょう』の頃を意識させる。絵柄は『ヒヤパカ』の頃!
   例外的に、後ろ髪カール娘(別名:委員長)は原作の『半分の半分のまた半分…』(TC42)にも3コマ登場する(原作の登場回は多分この回のみ)。月形まる代とは完全な別人で前髪がパッツンかカールかで見分けがつく。渾名の委員長はアニメ『ためしにさようなら』から。もちろん原作では別のモブである。 
   馬波書房(豹高ユキ)の同人雑誌『少年カウパー』の紹介記事(90年頃の『フラミンゴ』から)。この同人誌は70年代から80年代の代表的な少年向け作品(=同人文化圏外)を網羅的にエロパロ化しており、絵柄も各作品を踏襲している。今では「デフォルメエロ」の先駆けと言えなくもない。 
   江口寿史の漫画を読んでたら「隠蔽されたエロティシズム」の直球表現があった。話としては「ドギワ荘」に住む「一見ハスッパで色気がない」紅一点の眼鏡っ娘が「実は超エロボディで超美人」という「ギャップ萌え」にテラさんが振り回されるわけだが、このクリシェこそ「隠蔽エロス」の本質だと気付く。 
   穴山好男『ボクの日記』
久保書店『漫画ハンター』1979年12月号増刊
#いともたやすく行われるえげつない行為
「児童漫画調の可愛らしい絵柄でえげつないことをする」というパロディの嚆矢のひとつ。#rule34 
   インピオ熱が復活したので、下記の文章を書いた(ポストに書くとやばいのでスクショを貼る)。
ぼくの知る限り「インピオ」は、80年代に中島史雄先生がせっせと描き始めた印象。『気まぐれなシーズン』(1983)に2作、『漫画ブリッコ』83年11月号にも1作描いている。設定も凝ってるし、今でも実用的。