太平洋戦争を描いた漫画として今も記憶に強く残るのは森川久美の『南京路に花吹雪』とその続編『Shang-hai 1945』。国家に翻弄される個人を悲恋とダンディズムで彩り、国家を超えたなにかを信じようとする傑作。読み継がれる為にも電子書籍化すべき。
『かりあげクン』最新巻(63巻)を読んでいると、登場人物がみんなテレビモニターを縦置きにしているんだけど、今ってこれが普通なの?
ジェントルメン中村の『ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へ』、凄く面白かった。『女犯坊』みたいなタッチなのに暴力やパワハラではなく洞察と知恵で難局を突破する人情系お仕事ギャグ漫画。全ての話の完成度が高い。
『騎士団長 島耕作』、予想よりずっと面白い。異世界の騎士に課長時代の島耕作の記憶が蘇り、同じく転生した樫村や大町久美子たちに導かれ、王国を危機から救うために「島耕作レベル」を上げて奮闘。たんなるギャグではなくストーリー漫画として充分成立している。原作愛に満ちた良質な二次創作。
ソドムのインタビューが読みたくて『別冊少年チャンピオン』を買ったら、ルノアール兄弟の『少女聖典ベスケ・デス・ケベス』という漫画が凄かった。巷のペイメントサービス乱立を批評する不条理シモネタギャグで、電車の中で声出して笑った。
『中間管理録トネガワ』が大ヒットしたのは、ギャグの完成度が高いだけでなく、中間管理職のインサイトを深く突いているからだと思う。人口のボリュームゾーンである40代50代の中間管理職世代が共感出来るサラリーマン漫画は少ないのでブルーオーシャンだったのでは。添付は7巻から引用。
中曽根元首相は、朝日新聞の『フジ三太郎』で似顔絵がいつも凄く似ていたという記憶が強い。今では信じられないことだけれど、もう絶滅したこういうサラリーマン四コマ風刺漫画も、当時は世論形成に一定の影響力があったのだと思う。