明後日の「サラリーマン漫画展」でのトークイベント用プレゼン資料を作る中で、『ダメおやじ』初期コミックが昨年から電子書籍化されていたことを今更知る。これは確かに残酷なだけでなく精神的に後味悪いエピソードばかりで、長らく再販しなかった作者の気持ちも分かる。
【翔んだカップル1日1冊】新1巻
大学2年生になり、陸上部の活動に励む勇介。相変わらず自分に自信がなく、圭にはまだ告白できていない。同じ部の美女からアプローチされるけれど断り、夏休みに圭と旅先でようやく結ばれる。
連載終了から2年後の1983年から始まった最初の続編。少し成長してる。
【翔んだカップル1日1冊】13巻
勇介は圭に再び一緒に暮らそうと提案するが、圭は迷った末に断り「いいともだちになろう」と勇介に告げる。しかし圭のアパートが火事になり、勇介の部屋で一時同居することになる。
二人ののモノローグがかなり増えてきた。後の『大市民』スタイルが既に確立してる。
【翔んだカップル1日1冊】新3巻
圭は藤木のアプローチを正式に断り、勇介一人に絞る。勇介も女子高生に言い寄られるが心は揺らがない。安定期が訪れたと思いきや、藤木は諦めていなかった。
当時人気の江口寿史を意識したのか、ポップなタッチが散見されて、ラブコメ色が少しだけ戻っている。
柳沢きみおが圭というキャラに完全に興味をなくし、勇介とボクシングだけを描きたいということが続2巻ではっきり分かった。これはもう別の漫画だ。
1978年の勇介と1985年(という設定)の勇介も、もうほぼ別人。
1987年に柳沢きみおが描いた『俺にはオレの歌がある』。つげ義春の純文学的短編『退屈な部屋』をきみおが大衆小説的に解釈した佳作。家族や会社に内緒で部屋を借りて二重生活を始めた35歳サラリーマンの心の旅。後半は今読むと近年の中年meets女子高生マンガの先駆的な展開にも見えた。
【翔んだカップル1日1冊】1巻
元祖ラブコメといわれる柳沢きみおの代表作を毎日1冊読んでみようと決めた。連載開始は1978年。高校生の勇介と圭が偶然同居することに。圭に性欲を抱きつつ同棲はまずいと葛藤することから起こるドタバタ展開。今読んでも意外とテンポいい。杉村さん早くも不穏
【翔んだカップル1日1冊】続1巻
1986年に開始。前作終了から1年以上たっているけれど、引き続き大学3年から始まる。海外青年協力隊に行くという前作の設定を無視して、勇介はいきなりプロボクサーを目指す。ヨネクラジムの協力を仰いだ本格ボクシング漫画にトランスフォームしている……!
実質的に最後の連載だからと、なかば意地で読み続けている柳沢きみおの『新訳 罪と罰』(LINEマンガ)。先週、いよいよ主人公と母親の顔を全く描き分けられなくなっていることが判明し、逆にまた注目度が高まっている。
今週の『相談役 島耕作』。シリーズを長く読んできた人には懐かしい、あの絵のうまい池上君が久々に年老いて登場。一話完結で、人情ドラマだった頃の読後感。
このシリーズも今後は無理にビジネス情報を持ち込まず、早く相談役を引退して、こういう人情路線で老衰を描き切ってほしいな。