『騎士団長 島耕作』第3巻。王国民を怠惰にしてしまう謎のラスボスが、実は島耕作(団塊世代)の立身出世ファンタジーにより生きづらさを抱え込まされた氷河期世代=団塊ジュニアの怨念だったという展開は秀逸。原作をリスペクトしつつ批評にもなっている、見事な終わらせ方だった。
サラリーマン金太郎は新入社員時代、会社を家族ではなく恋人に見立て、「会社と恋愛がしたい」と発言した。1995年。血縁ではなく恋愛だから、別れることもある。実際にこの後、彼は何回も転職することになる。会社家族主義からの脱却を早い段階で提案したラディカルなサラリーマン漫画だった。
『私が15歳ではなくなっても。』(あむ)を16話まで読む。平凡なサラリーマンが出来心で女子高生とパパ活したことで人生転落し続ける。中年男の醜く滑稽な煩悩に真正面から向き合い、昨今の「いい話」的おじさんミーツガール作品を楽しむ層に冷や水どころか催涙ガスを浴びせる恐怖の怪作。超面白い。 https://t.co/Rpn4EQLFfA
話題の萩原あさ美『娘の友達』を読む。「アラフォーのサラリーマンが女子高生に恋をする話」ではなく「家庭も職場の人間関係も上手くいかず逃避したい中年男が、異常に干渉する親から逃れたい優等生女子高生との共依存に巻き込まれる話」。破滅フラグも沢山。思い出したのは野島伸司の『高校教師』。
日経平均バブル超え。過去最高値だったバブル絶頂の1989年に発売された『ツルモク独身寮』5巻で、新入社員の矢崎はローンで200万のクルマを購入。そうした消費が珍しくない、右肩上がり感覚の時代だった。いま都市部でクルマを買う若いサラリーマンはどれくらいいるんだろう。
藤子・F・不二雄 の短編で『やすらぎの館』という作品があって、社会的成功者が仕事が不調になり、頑張りを肯定してもらうために母性に包まれたクラブに入り浸って幼児退行するんだけど、FIREのCMを見てなんとなくそれを思い出した。
今週の相談役島耕作。テコットを追放された元役員のショボくれた老後が詫びしい。そうなんだよ、これからの島耕作に必要なのはこういう老いの侘び寂びなんだよ。ビジネス情報よりもこっちをどんどん描いて欲しい。
水島新司による、恐らく唯一のサラリーマン漫画『サラリーマン太平記』(1968年)。給司(当時のお茶汲み係)から正社員になった自動車販売会社のお人好しサラリーマンが産業スパイ容疑で解雇され、屋台のラーメン屋として再出発する人情劇。ラストで作者が突然登場するメタ展開にビックリ。
まさかの月刊『柳沢きみおマガジン』創刊。中身は過去作第一話詰め合わせが中心で、新作は『特命課長只野仁』(只野が50歳になっただけで中身はいつものやつ)、半自伝的小説、そして『罪と罰』の漫画化。『罪と罰』はギリギリ読める出来だけど、自分以外に買う人なん人いるんだろう。。
【翔んだカップル1日1冊】続2巻
勇介はプロボクサーとしてデビュー後2連続KO勝利。しかし圭はボクシングに拒絶反応を示し、自分とボクシングのどちらをとるのかと詰め寄り2人は破局。
井岡一翔と谷村奈南もこんな感じで別れたんだろうか。名前の「翔」の字で翔んだカップルを連想してしまった。