ここで再度、ナウシカ世界での「超常の力」の発現状況を見てみましょう。最も発現が多く、また使用者も多い力は何かと言えば、実は「念話」「念視(?)」による、言語を越えたコミュニケーションになります。 
   そしてもう一つ、「超常の力」が産み出された(と思われる)旧世界末期の状況があります。そこは数百億の人間が犇めき争い、調停の為に神まで「作ってしまった」末世の世界でした。 
   尤も、こうしたコミュニケーションが旧世界に平和をもたらしたかかといえば…ナウシカ達の世界を見ても明らかですが、平和と呼ぶには程とおく、それどころか「超常の力」そのものは、下手をすれば監視と圧政の道具となりかねない有様です。 
   今週の #逃げ上手の若君 、久々に尊氏公が登場。ラスト1頁ながらいつもどおりの濃い存在感ですな(今回は目は普通であった) 
   また作中では、究極の統合見解者=究極の凡人という図式が示されるのですが、このことは同時に「才能」なるものが如何に時代環境に規定されるかも示しています。なんとなれば、平凡/非凡の境界自体、時代環境により変動するわけですから。 
   なお、「突き詰めた平凡は才能」という点では藤子F御大の「並平家の一日」もオススメです。古きよき(?)一億総中流を体現する並平一家のモニタリングを通じ、生のマーケティングを実践しようという、正にSF(すこし、ふしぎ)な物語です。 
   今日も暑うございました。そんな今宵の漫画版 #ナウシカ 考察は(贅肉が)「アツイ」繋がりで我等がクシャナ殿下の仇敵ことトルメキアの三皇子ーとらわけその政治的軍事的能力ーについて取り上げてみたいと思います。…結論を先に言えば「王の器に非ず」なのですが(*´・ω・) 
   先ず末の第三皇子から。第三皇子は4巻、カボ基地でのクシャナとの対峙で初登場し…直ぐに退場(物理的に)します。この時点で上兄二人は先に帰国しており、第三皇子は謂わば第2軍のしんがりを押し付けられた格好でした(このことから第三皇子は兄達に対し少し劣位にあることが推察されます)。 
   この時既にカボ基地は斥候の蟲飛来で大混乱であり、近くには群の本隊も来ていました。直ぐにも退避が必要…にも拘らず第三皇子は「クシャナいじめ」に躍起になっていました。 
   正直クシャナ抹殺だけならば彼女の足である船を破壊し、行き掛けの駄賃に砲撃くらいしておけば十分なはずでした。 
   にも拘らず第三皇子は態々対面してクシャナを侮辱し、更には「全」船団を足止めさせました。どさくさ紛れに義妹を脱出させない(+義妹を多勢で包囲する)ためとはいえ、余りに自軍を蔑ろにし過ぎでしょう。 
   その結果第三皇子は見事に逃げ遅れ、のみならずカボの軍兵も船団ごと潰滅するわけですが、そこまでの犠牲を払って成し遂げたのが「クシャナを侮辱し逆上させること」だけでは、余りにも虚しい(しかも義妹への打撃は侮辱よりも自身のあっけない死の方が遥かに大きいという…)