以上を踏まえると、ナウシカ世界は農業人口の奪い合いが生じるくらいには人不足ですが、飢餓疫病が蔓延するくらいにはヒトが過剰という、非常に微妙でにっちもさっちもどうにもブルドックな状況…となりそうですね(身も蓋もない)。
夜も更けて参りました。今宵の漫画版 #ナウシカ 考察は、ナウシカ世界における超能力、所謂「超常の力」について取り上げてみたいと思いますので、宜しくお願いいたします。
漫画版 #ナウシカ に曰く「精神の偉大さは苦悩の深さで決まる」という。では、娑婆の苦悩から一切解放され、庭園の「客人」となった者は、精神的に死者に等しくなるのではないか?
まず王蟲についてですが、体調10mを越す巨体に14の目があり、高い知性と同時に激しい攻撃衝動を持つーある意味ナウシカに似たー蟲ですが、 特に精神面では「個にして全、全にして個」という、いわば集合精神体としての性質を種族全体で共有しているのが特筆されます。
勿論、蟲使いや「森の人」は瘴気マスクを常用し、通風・浄気機構も優れたものを保持していますが、逆にその程度で「石化の病」を克服できるならば、腐海「外」での疾病対策ももう少しマシになりそうなものです。
そしてナウシカの去った後、牧人たちは語ります。ナウシカは戻ってくるだろうか?否きっと戻ってこない…だが彼女は名前を=心を遺していった。だからもしかするといつかはー牧人たちはきっと、その淡い微かな可能性だけを希望に、明日からも生きていくのでしょう。「またつまらなくなった」庭園で。
だからこそ、道化は猜疑心強いヴ王の側に仕えることができ、また彼の発言は、王にさえ阿らない(しかも自己の思惑を絡めない)点で、おそらく宮廷内でもある意味信用されていました。そのことを何より示すのが、ヴ王の遺言ーそれも王位継承ーの証人に道化が指名されたことです。
夜も更けて参りました。今宵の漫画版 #ナウシカ 考察は7巻終盤直前の山場、世界の秘密が明かされる「庭園」編について、アニメージュ連載版(1993年7―10月号)と単行本掲載版(7巻92―141頁)の差異を比較してみたいと思います。
ガンシップは機動力・火力に優れた単座又は複座の小型戦闘機で、トルメキアのコルベットは勿論、土鬼の浮砲台すら一撃で撃墜可能な兵器です。その性能もあり、例え一機でも小国の自治を担保することすらできる「戦略兵器」でもあります。