が、そのクシャナは仇敵である兄死亡後の虚脱と、何より憎悪で染めてきた己の過去に圧し潰されかけていました。7巻、土鬼避難民と一触即発の状態にあってなお、クシャナはユパの説得に対して最早手遅れと諦めの言葉を口にしています(駄々をこねているようにも見えますが…) 
   年度末は引っ越しと書類整理、引継仕上げで慌ただしく過ぎました。そして今日も魔都金沢は黄砂で霞む…
そんな本日に一句↓
#ナウシカ 
   何せ世界の人間の殆どが死に絶えてなお、彼らが遺したプログラムが世界を動かし続けてきた訳ですから。恰も「海底奇岩城」のポセイドンのように。或いは、折角ならジブリ繋がりでこう言うこともできるでしょう。「国(巨大産業文明)が滅びたのに王(墓所)だけ生きてるなんて滑稽だ」と。 
   そして「彼」は「人間を救いたい」という理想に燃えて、圧政と狂気を敷く「悪の」クルバルカ王朝を打倒します。まるで、暴君ナムリスを打倒せんとする、いま目の前にいる少女(ナウシカ)と同じように。 
   カボ基地編では兄皇子との対決とその呆気ない横死、母との思い出など、クシャナの内面とトラウマを深く掘り下げる話が凝縮されます。が、実は「出陣前の母への挨拶」場面は単行本で追加されたものとなります(左がアニメージュ連載版、右が単行本第4巻)。 
   リマン露軍全滅時の様子を聞いて思い出した「ナポレオン 覇道進撃」の一コマ。今回の惨劇でこうした母親があの国に何人生まれたのか。そして、これまで露軍はウクライナに何人こんな母親を生み出してきたのか… 
   このことで思い出されるのが王蟲の「体液」です。3巻、土鬼の農村でウシアブに襲われたナウシカは、王蟲の「血染め」の衣が蟲を鎮めたことで命拾いをします。 
   それは「粘菌はなぜ、王蟲を食べることで腐海の一員になれるのか」と言う点です。というのも、王蟲に先行した羽蟲達については、粘菌はその骸を食べ尽くした上で更に肥大化してしまっているからです。