そうして蔓延る責任回避と事なかれ主義。これはナムリスならずとも「クソ坊主共」とウンザリしてくるわけです。てかミラルパも、言い訳ばかりする部下を何かゴミを見るような冷たい目(笑)で見てますね。 
   以前腐海で聞いた「助けを求める南の森」、土鬼がどうやって王蟲幼生を捕まえられたのかという疑問、そして不安を隠すかのように心を閉ざす王蟲。これらの疑問が重なることで、ナウシカにとって「青き衣の金色の野」は大団円ではなく、寧ろ新たな探索・旅の始まりとなりました。 
   ヴ王など、神官団をあからさまに鬱陶しいご機嫌取り集団扱いし「自分を神殿に呼び悔い改めさせたければもっと恐ろしい詩を寄越せ」と嘲笑していますし、一般トルメキア兵も自身を攻囲する土鬼軍の祈禱を驚くほど冷静にー寧ろ冷ややかに見ている程です。連中の祈禱が続くうちは生きていられるな、と。 
   以上、「火の7日間」以後の歴史再構成の試み、お楽しみいただけましたでしょうか。一言でまとめればナムリス様の下記の台詞になるのですが、ナムリス様も-当然我々も―そこまで過去を冷笑できるかと言いますと…言わぬが花ですね(勿論、ナムリス様は多分それを自覚した上でああなのですが) 
   そしてこうした王権による「墓所隠し」はある程度成功します。ナウシカ含めた多くの者が、墓所を単なる技術の貯蔵庫と錯覚し、その正体=土鬼王権を裏で操る「浄化の神」であることには、実際に「墓所のヌシ」と対面するまで気付かなかったからです。 
   お待たせしました再開です。さて、粘菌もつまるところ腐海植物であり、王蟲の血により「発育」が促進されると思われますが、粘菌の最終形とはナウシカによれば無数の胞子を噴出して弾けるーつまりは胞子になります。 
   まず、ユパは身を以てクシャナを庇い、またマニ僧正降臨という「奇跡」もあって(これもユパ本人とマニ僧正の「縁」あってのことと思いますが)土鬼側を鎮め、「憎悪の連鎖」を止めてみせます。余談ですがこの部分は映画版ナウシカのクライマックスにも若干重なるものがありますね。 
   それではそろそろお仕事に行って参ります。こんなよく晴れた日にお仕事とは…まあ長距離移動だから雨よりはマシなんだけど… 
   土鬼軍の浮砲台は文字通り多数の砲を備えた大型船(コルベットの数倍はある)であり、また部族毎の保有で、いざとなれば部族兵(+非戦闘員)を1隻で輸送できる、いわば砲撃力が「ざぁこ♥」ではないバカガラスと言えます。 
   最後には蟲遣い達は、故郷の腐海を離れ、財産もパートナーである蟲も手放して、ナウシカのシュワ行きに同行することとなります。ナウシカとの出会いで一番世界が変わったのは、実は彼ら蟲遣いになるのかもしれません。