戦争と大海嘯の惨禍を直に味わい、絶望に砕かれたクシャナだからこそ、同じ様に絶望に沈む人々を救う者になれるのではないかと。そしてそれは為政者としての猜疑心に囚われたミラルパや快楽主義のナムリス、大海嘯すらシュワ攻略の好機とみる冷酷なヴ王にはできない、クシャナだけの強みとなります。 
   「野党を育て国を良くするための手段が政権交代」という呟きを見て、心の中の大佐が叫ぶ。
「ところで彼らは科学者なの?」
「科学者ならまず動物実験するから…」
「愚民はモルモット!くらいに思っていると」
「それ以上いけない」 https://t.co/iEspCug4Oa
   そう考えると、成仏したミラルパの霊体が無垢な「恍惚の人」めいていて、発する言葉も一切内容が不明となっているのは、色々と示唆的に思えてきますね。 
   「庭園」での二皇子の豹変ぶりはよく人間の多面性の現れとして評価されますが、それにしても「もとの素養」がなければここまで庭園ライフ(笑)で見事開花できなかったわけで、やはり彼等の才能は見事であったと思われます。 
   そうなるとユパの立場は益々難しくなるでしょう。勿論、本人的にはナウシカを親身に支えるつもりでも、周囲の環境がそれを許さない可能性があります。ちょうど、ナウシカ不在の風の谷で、彼女の妹弟子(テパ)が新しい風の和子=族長候補として成長していったように。 
   今週の #逃げ上手の若君 は頼重様サービス回で、いつも以上に暴走する頼重様がおもろかしいのですが、個人的には前々回の「失敗」に対し、直ちに対抗策を打つ小笠原サンの強かさが光っていました。こういう敵役がいると話がどんどん面白くなってイイですね。 
   もう一つ。蟲使いの棲みかは、腐海の拡大とともに「人界に近い方へ」移動していると思われます。恰も後退する海/湖を追う漁民のように。というのも、あまり人界から遠いと、交易も交易原資の確保(=墓荒し)も難しくなるからです。その最も大規模なものが、大海嘯に伴う「民族大移動」でしょう。 
   そう、やりすぎ。これは腐海の地下空洞についても言えます。実際、ここは毒もなく「清浄」なのですが、草木も生えない無の世界で、どうやって「庭園」がここを土生まれ緑溢れる世界にしたのかが謎なくらいです。 
   政府の広報・御用媒体になりたくない?そりゃ結構ですが貴方たち自身の「正しさ」って何が担保してるんですか?情報の収集・分析への信頼なら、自ら叩き売ってぶち壊してますよね? 
   また、この点はなぜユパがクシャナに「王道」を託したかにも繋がります。ユパは「残された世界のためにクシャナの力がいる」と高く評価し、助けてきましたが、思うにそれはクシャナが深く傷つき悩み苦しんでいたからこそでした。