寧ろ主要人物の「物語」は家族・故郷を離れてナウシカと出会うことから始まり、異郷の地で仲間を見つけ育んでいきます。故郷を喪ったアスベル・ケチャ然り、流浪の剣士ユパ然り、チクク然りです。 
   「征地球論」ではこの場面も秀逸。拙速と遅巧、いずれを是とすべきかは宇宙人にも中々難しいようで…。因みにこの短編、オチも非常に秀逸で、彼らが随分長期スパンの文明論を論じ続けているのは何故かという伏線回収にもなっており、オススメです。 
   晩年のミラルパは百年を越える統治を経ても「愚かなままの」土民に絶望し、恐怖政治と自身のカリスマにより辛うじて土鬼帝国を纏め上げていました。が、その帝国は(ミラルパ主観では)不吉なる「青き衣の者」到来と軌を一にして大海嘯に見舞われ、瓦解していきます。 
   そして血塗られた道に代わりユパが示した「王道」は、単行本五巻でクシャナ自身がー但し自分が歩むものでなく、「誰かが立たねば世界は滅ぶ」とどこか他人事にー語ったものでした。そして五巻のこの場面は、なんとと言うべきか単行本版の完全新規追加になります。 
   即ち、クシャナ麾下の第三軍は六千から二百弱にほぼ消滅状態、そのライバル第二軍も三分の二を失った上、領袖たる三王子が死亡or生死不明、ヴ王直率軍(第一軍?)に至ってはシュワで全滅してしまいます。 
   【悲報】アフター5を目前にして急遽、土曜出勤が決定。まさか週末に3連続で黄昏ナウシカ状態になろうとは(´・ω:;.:...
ちなみに来週木曜祝日もすでにお仕事が決定しておりますです。代休?そこ(シフトの空き)になければ無いですね。 
   即ち、土鬼諸侯国は部族間で言語も大きく異なり、また場合に依り「仇敵同士」といわれる程はげしい部族間対立が見られます。もしかすると、元々は信じる宗教すらバラバラだったのかもしれません。 
   また、その住居の一つは「地中の噴気を利用して」浄化されており、マスクなしでの生活が可能です。因みに「森の人」の棲みかもタービンで浄気を行っており、このことからも瘴気が基本的にはフィルタリング可能な微粒子であることが推察されます。 
   そして三幕。孤児たちとの出会い以外はほぼ原作の三巻に準拠します。クロトワさんの寝返りの時の台詞に、梶原景時の故事が引用されておりましたな~… 
   例えば地方統治。土鬼は51もの大小部族国家の集合体で、その族長には僧会に従う僧侶が就きます。が、彼らは僧会本部派遣というより、寧ろ族長が僧侶に「なった」感じです。おまけにマニはともかく、サパタなど皇帝がいる戦場でその側近(チヤルカ)に皇帝批判を叫ぶなど、およそ従順とは言い難い。 https://t.co/C67NJCTyh7