実際、本筋に関わる部分でも漫画版 #ナウシカ の影響を濃厚に感じられました。主人公が「戻る」決断の部分ですとか、何より今回のタイトルと漫画版ナウシカの最後の台詞「生きねば」との重なり具合がもう。
そう、作中300年前のエフタル大海嘯とその後のエフタル内乱です。大国エフタルの消滅とその後の内乱ー最終的にエフタル諸族はトルメキア王の軍門に下りましたが、果たしてこの状況=トルメキア独り勝ちを土王は座視できたでしょうか?寧ろ勢力拡大の好機と介入した可能性の方が高いと思われます。
厚い信頼と言えば、今回は小笠原主従のコンビネーションもバッチリでした。それも濃厚なサービスシーン(?)付きで。敵役のはずなのに、微妙に憎み切れない、しかも強くて魅力的という(目や耳が本当に「口ほどにモノをいう」のはさておき…)
#逃げ上手の若君
では上兄二人はどうかといえば、暗愚具合では第三皇子に勝るとも劣らず(?)。例えば、王都帰還後に父王に叱責された二人は、国境警備の王命を無視して軍を率いシュワに向かうのですが、第2第3軍が潰滅し、父王率いる本国軍がシュワに出撃する中で、いったい誰が国を守るというのでしょうか!?
次に、延命への拘りです。幼き日のミラルパにトラウマを残した様に、初代神聖神聖皇帝は無理な延命措置が破綻して肉体崩壊死という悲惨な最期を遂げますが、凡そ百年の治世を全うします。即位時に二十歳としても百二十歳まで現役は確かに尋常ではありません。何が彼をそこまで駆り立てたのでしょうか?
この風と水の恵みで、谷は農業を営むわけですが、自給用の作物以外にも葡萄(ワイン加工用?)などの栽培が確認されます。或いは一部農作物はペジテ等の工房都市に輸出し、対価として武器や機械類などを入手していたのかもしれません。
この辺りの王の老獪さを「この世の終りが来るぞ」「毒蛇がエサとりに出て巣穴を小蛇に盗られたとさ」と即興で皮肉る道化は、やはりタダモノではない知性の持主に思えますね。やはりヴ王&道化主従は最高(*´Д`)ハァハァ
そうした「死なないこと滅びないこと」が自己目的化し、「生」を見失った極北が、例えば神聖皇帝ミラルパであり、更には本作のラスボスである「墓所の主」となります。
そう言えば、セリムはナウシカが看破した「真実」を同胞たる「森の人」達には話していないんですよね。墓所の主と王蟲の体液が同じ=両者が同根であることも。それは、ナウシカとの絆という以上に、やはり他の「森の人」にこの「真実」は耐え難いという判断があったのではないか。
#ナウシカ https://t.co/2reA82MXuq