そうして二人は闇の荒野から光溢れる腐海(!)に辿り着きます。その森は現実の腐海にナウシカの精神を導くための、彼女の「内なる心の森」でした。そしてナウシカはミラルパをこの森に連れ込みます。この森が自分の心ならあの虚無もーその虚無に取りついた亡霊もー内なる自分であるとして。
最初、ミラルパはナウシカの心が呑まれた「深淵」にやって来ます。それは、ナウシカを苛む「虚無」が何度も現れた暗黒の場所であり、また「生きた闇」と形容されるミラルパにはある意味親和性のある土地(?)でした。或いは、ミラルパはナウシカの内なる「闇」に惹かれたのかもしれません。
今週の #逃げ上手の若君 は如何にして負け戦を「上手く締めるか」でした。負け確ではあっても、「次」を見据えて潰走を回避し、一定の成果を得る。「逃げて勝つ」とはまた一味違う経験に、時行君も一段と成長したのではないでしょうか?それにしても、勝っても負けても戦とは「終わらせ方」が難しい…
割と微細な変化に見えますが、道化の台詞が、ヴ王の「(神官の詩が陳腐過ぎて)耳が腐る」から続いているため、道化のからかい対象が神官→王に変わっているわけですね。
他の単行本5~6巻部分のアニメージュはまだ一部しか入手出来ていませんが、その範囲ですらかなり加筆・修正が見られて実に興味深いです。これは何としても全部揃えて比較考察を行いたいところ。
そのナウシカの「母への願望」が投影された場面。こんなありふれた(筈の)親子の場面すら願望になるとは、どんな日々だったのか…。或いは、だからこそナウシカはこの兵士や「息子」オーマに対し、かくありたいと自ら願う理想の母として振る舞おうとしたのかもしれませんね。
実際、単行本版ではナウシカが「観察者として」気付いた事象に基づき真相に近づく描写が加筆されており、単行本化に際しての「立ち位置の変化」が窺われます。…とはいえ、インパクトある描写だけに惜しい削除ですね(85頁アタマ(引用二枚目)には少しだけその名残が見えますが大分薄れている感じが…)
そればかりか、自身の力の誇示として浄化計画の秘密の一端を自ら明かす始末で、秘密保持という点では失格です。事実、ナウシカはもとよりヴ王やユパにまで黒幕と喝破され、結局はそれが命とりとなり墓所は破壊されてしまいます。
そうなるとユパの立場は益々難しくなるでしょう。勿論、本人的にはナウシカを親身に支えるつもりでも、周囲の環境がそれを許さない可能性があります。ちょうど、ナウシカ不在の風の谷で、彼女の妹弟子(テパ)が新しい風の和子=族長候補として成長していったように。
やはり真っ先に浮かぶ「クソみてェな旗」… https://t.co/0C3fTN4Qxi