この点に関連して面白いのが、ナウシカが大海嘯への懸念から単身トルメキア軍に従軍したと聞いたジルが、ミトに対しナウシカの手助けのためユパを探せと遺言する点です。「族長ナウシカ」の横にもはやユパは不要だが、一個人で世界を背負おうとする無謀な我が子には師ユパが必要だ、というわけです。
実を言えばこのサパタ包囲も奇妙であり、サパタ守備軍はトルメキア軍主力たる第二軍から「捨て石」にされた拠点防衛軍で、その第二軍は未だ土鬼中原のカボに船団とともに駐屯していました。…ふつう、土鬼軍主力で叩くのはこちらなのでは?と素人目には感じてしまいます。
ですが、先に見たように実際の「不満の種」は教化の不足ではなく、僧会による暴政にあり、「青き衣の者」はその不満への旗頭でした。更に言えば、僧会の教義と「邪教の教え」は民衆レベルではゴチャゴチャに混淆しており、その点でもミラルパの「不安」は主客が転倒していたと言えます。
即ち兄ナムリスが語るには、ミラルパは「青き衣の者」ー土着の民の救世主にして帝国の敵ーと思われる者が現れたと聞くたびに取り乱し、容疑者を捕えては八つ裂きにしてきました。では、なにゆえミラルパはナウシカ含めた「青き衣の者」をそこまで恐れたのでしょうか。
そんな僧会が力を振るえるのは偏にミラルパの力あってのことです。実際ミラルパはその「超常の力」によりケチャのような市井の民にまで畏怖されており、僧会はそのミラルパの「耳目・手足」だからこそ恐れられていると言えます。要はミラルパ無しでは烏合の衆です。
民衆レベルは更に辛辣で、部族兵は僧兵を「威張り腐るだけの役立たず」とバカにし、農民たちも僧会の面々を「人を奴隷扱いするクセに!」と罵るなど、その心証は最悪に近いといえます。
能力と同じくらい、その人柄もたいへん貴重です。例えばユパ達に合流した際も、クシャナ一行はアスベルらから相当冷たく…というより仇の扱いですが、クロトワは重傷者という立場も利用(?)して「世話になるぜ!」と軽く溶け込みますし、いつの間にかミトとガンシップでコンビまで組んでいます。
昨日は退社後に呼び戻し残業、今日は呼び出し後に廊下待機三十分超え。つくづく弊社は我ら下々の時間を贅沢に使いますわねー…
因みにこちら↓が実際の「墓所」ですが、サイズが若干大きい以外は、外観は周辺建築と然程変わりません。また、チラ見する限りですが、墓所周辺の広場(?)も然程巨大ではなく、街路の軸も墓所を中心とするとまでは言いにくそうです。
ヴ王など、神官団をあからさまに鬱陶しいご機嫌取り集団扱いし「自分を神殿に呼び悔い改めさせたければもっと恐ろしい詩を寄越せ」と嘲笑していますし、一般トルメキア兵も自身を攻囲する土鬼軍の祈禱を驚くほど冷静にー寧ろ冷ややかに見ている程です。連中の祈禱が続くうちは生きていられるな、と。