そういや「巻き戻し」ももうほとんど死滅した言葉なんだっけ。じゃあこの辺も「早戻し」になるのかな。でもこれはカセットテープとかビデオテープみたいなシーケンシャルメディアのイメージだからなあ。何回も同じところを再生するとテープが伸びて劣化するっていう概念が今はもうないもんね。 
   タイムレスキューものって昔からわりと沢山あるけどT・Pぼんの「歴史的に影響のないどうでもいい人だけ助けてOK」って画期的だよな。 
   ファントム無頼ってどこまでが武論尊(史村翔)先生の原作でどこからが新谷かおる先生のアレンジなのか昔から気になるんだよね。武論尊先生が航空自衛隊出身だから立ち上がった企画なんだろうけどキャラクターや読み味は完全に新谷漫画なんですよねこの漫画。台詞の言葉遣いは全部変えてると思うんだよな 
   という前提で見ると一番気になるのがエビちゃん。この子は少し周囲に圧をかける素養があるのね(今現在はイジメまではいってない)。歩鳥達が近くにいることでこの世界でそっち側に行かずに済んだ人。人は簡単にカテゴライズできない。多くの人がボーダー上にいるという描き方がこの作品の美点だなと思う 
   『それでも町は廻っている』って終盤に平行世界の話が匂わされてキャラの少し違った姿が見えるじゃないすか。作家にならなかった静姉ちゃんとか。あの作品世界は歩鳥が周囲の人の未来を少しだけ変えている,というテーマがあるわけで(と思う)。紺先輩とかは最も強い引力で明るい世界に引っ張られた人で 
   カラーページなのにテレビ画面内であることの表現としてそこだけ白黒のコマになる斬新な処理。当時の人にしか伝わらない。