『0マン』(1959-1960)より。
当時はまだ人種差別があからさまにあったんだな、と端的に分かる描写。黒人が自ら「黒人だけどいい?」みたいにへりくだるのも気になるが、公の場で「けがらわしいから黒人とは席を別にしてくれ」とか堂々と言える人もスゴい。「だれかれの区別ないすよ」がグッとくる。
ここからははじめて気づいたもの。「白人、黒人」→「西洋人」に改変。特定の人種に関わる表現はマズイとの判断か?
そしてお馴染みの「きちがい」という言語。70s頃までのマンガには普通に使われてた言葉だが、昨今の再録、復刻でも軒並み削除改変の嵐。やっぱりフキダシの空白は削除の証か。
『きらりブックス迷走中』(2015-2017)。宮崎弁のキャラが出てくるけど意味が分かんなかった方言。「えれこちゃ」と「ちんこめー」…。文脈でなんとなく分かるけど、しかし「ちんこめー」のインパクトが強烈。宮崎の人はふつうに受け止めるのかな… https://t.co/PTqo4FiGE5
アイヌの話が出てくるのは冒頭だけで、それもいわゆる「差別」に絡んだ話に終始している。ゴールデンコミックス版ではアイヌ人差別も描かれているが、差別に屈しないで立ち向かう姿がきちんとあるし、差別を助長する意図は全くない。講談社全集版ではセリフが改変されてるが、まあ仕方ないのかな…
主人公の設定が終盤に回収された感もあるけど、「本性」表した姿はゾッとするほど魅力的だし、このさきもっといろんな展開が想像できて面白くなりそうなところで終了とは。まあだからって露骨なバトル展開になってしまうくらいなら最後は本来(?)の日常ギャグマンガに引き戻して完結のがいいけれど…
現代でも、さすがに「強制労働があった前提」の在日朝鮮人の苦悩や「何年生まれだろうと」「当時韓国に酷いことをした“日本人”は許せない」「韓国でスパイ疑惑をうけたキムさんの死刑を祖師するためにラジオで発言する女パーソナリティー」なんて話をやったらどうなるだろう?
きららコミックスで「単行本未収録作品集」を出してほしいな。『ヒトより私はそれが好き!』『しろいぬシンドローム』『かんきつパンチ』…あと個人的には『本日わたしは炎上しました』を出してほしいんだが…これは難しいか…?