たがわ靖之「包丁無宿」という後半に狂ったエピソードがちょいちょいある料理漫画。最狂エピソードとして推したいのは「料理島奇嬌勝負」の回。宿敵が支配している島に単身料理勝負に乗り込む暮流助の運命やいかに。
「もし他人に秘密を知られた時はかわいそうだが…」
「この脳細胞破壊銃でほんとのパーにしてやる」
改変前の、第1話でなかなかのリスクを負わされるパーマン。
ドラえもん第0巻。ドラえもん登場回を集めた巻。かつての藤子不二雄ランド版第1巻でも同様の企画が見られる。大全集で未収録も読めるようになった現在、次に欲しいのは雑誌初出オリジナル版かな。
ドラえもん第0巻に収録の「ドラえもん誕生」。今の時代、A先生の狂気の怪作「狂人軍」はタイトルすら許されない。
ドラえもん0巻を過去の単行本と比べつつ再読中。初出に戻してある所もあり改変されたままの所もあり。ドラミちゃん初登場回「ハイキングに出かけよう」の自動コジ機はセリフ改変。以前は6巻巻末のドラえもん百科にも載っていた道具だがこちらも現行版では重力ペンキに差し替えられている。
藤子F先生の最高傑作(断言)「モジャ公」。
・F作品では珍しい長編
・F作品では珍しい大胆なコマ割りと構図
・死の影がちらつくエピソードが多く、少年マンガより異色SF短編に近いテイスト
これがヒットしてF先生が週刊少年誌で活躍する長編SF漫画家になっていた可能性を想像してみる。
ジャック・リッチー「カーデュラ探偵社」。夜間にしか活動しない某中央ヨーロッパ出身の伯爵探偵のシリーズ。要するに正体はアレ。ベストは「カーデュラと鍵のかかった部屋」。ノンシリーズ物では「無痛抜歯法」「くずかご」が抜群。どれも軽く、そして面白い。リッチーはまだ読みたいぞ。
南條範夫「飢えて死ね!」。インパクトのある表題作は越前丸岡藩のお家騒動を描く。あとは幕末明治物。「殺人者の死」は死の間際の沖田総司。この作者らしいねじれた総司像。他は明治の陸軍大将・立見尚文や西郷従道など。この短編集は文庫化されてないらしい。南條範夫の底が見えぬ。
CanCam4月号。ドラえもん別冊付録目当てで買う(のび太&しずかの婚姻届付)。第えも巻。エモいストーリー5話収録。4つの話は共通するものは分かるのだが「やろう、ぶっころしてやる」でお馴染み「ドラえもんだらけ」はどこがエモいのかよく分からぬ。(そもそもエモいって何)
木村鷹太郎「世界の三大宴会」(大正10年)。国会図書館デジタルより。和田の酒盛(曽我物語に出てくるやつ)と鴻門の会とプラトンの宴会。この三つは実は同じ話であり、日本でも中国でもギリシャでもなくインドの話であったのだ。へっぽこ叙述ミステリの解決編を読んでいるよう。
ピーター・ディキンスン「生ける屍」。サンリオSF文庫版はかつて古書市場で万の単位で取引されていた小説。奇妙奇天烈なシチュエーションの小説ばかり書くこの作者。初ディキンスンがこれだと難しいかも知れぬ。タイトルから想像されるようなゾンビ小説ではない。不条理な南米文学のよう。