世間知らずのお姫様が初めて"友達"と言われて顔を赤らめる。
好きなシチュエーションです。
恥ずかしがりやのヒーローを描く実樹ぶきみ先生『SHY』。
まだまだ未熟な主人公のテルとそんな彼女を見守りピンチの時には駆けつけてくれる姉御肌なペペシャの関係など、女の子の絆が描かれていて好きです。
緩急の付け方が秀逸。
しかも緩の部分がその後の伏線になっていて読後感がとても素敵です。
未読の方はぜひ。
「社畜系OL × 落ちこぼれ魔女」の同居生活を描く社会人百合。
市川なつを先生『みーちゃんとアイリ』第9話。
いつものごとく激務によってくたびれ果てて帰宅したみーちゃん(社畜)が、自分も疲れているはずなのに病み上がりのあいりを想ってさりげなく気を使うシーンがとても素敵でした。
内向的な性格の美生ですが、亡き父との思い出にまつわる『パーツ付き模型マガジン』を買おうとしていたクラスでも目立つグループの若菜と書店で鉢合わせしてのをきっかけに、不器用な彼女に代わって模型を作るという関係に。
タイプの違う二人が同じ時間を共有して関係を深めていく描写がとても素敵。
兄嫁・薫瑠の学生時代の思い出が描かれる最新巻。
璃沙子との関係に焦点が当てられるのですが、薫瑠が好意を寄せていることを知りながら怜一と付き合い始めたり、それでいて何かと薫瑠を気にかけたり、はたまたこれ見よがしに怜一との仲を見せつけたりと彼女の真意が気になるところ。
ひなびた温泉宿で出会った二人が日本酒を飲みながら仲を深めていく、という大人百合が素敵でした。
八月薫先生のイラストはいつ見ても美しい。
百合的には主人公の七菜とMAKOTOの気になるところ。
ネストビールの知識も豊富でお酒(特に飲み屋)が百合好きなさんにはぜひ読んで欲しい作品です。
波乱を含みつつも当たり前のように続いていく家族の時間が穏やかな分、その中にあっても忘れられない恋心の描写がとても鮮烈です。
続きがとても楽しみな志村貴子先生『おとなになっても』
綾乃の告白によって、夫を始めとる両家の親族が彼女の浮気を知ることとなる2巻。
戸惑い受け止めかねる夫、キスだけならとペナルティに二世帯同居を提案する義母など、様々な人物が登場し緻密な群像劇が展開しますが、綾乃含めその誰もが憎めないどこか牧歌的な様子は志村先生らしくてとても素敵です。
この相反するアンビバレントな視線を、郷本先生『被写体依存』で描かれるカメラマンから人妻への感情
「ファインダーを覗く度、自分のだけのものにしてしまえる気がして、シャッターを切る度、自分のものにはならない事に安心する」
に照らすと個人的にはとても合点がいきます。