熊田龍泉先生『それでもペンは止まらない』。
一度打ちきりにあって以来、得意なジャンルを描かせてもらえないままヒットにも恵まれず、それでも描くことを諦めない中堅漫画家・美空輝子を主人公に、未だ報われない者たちへの人間讃歌を描く物語。
周囲の人間が輝子に寄せる想いが熱くて素敵です。
個人的には文化祭編の
貴方はどうしたい
この限られた青春を
誰と
何をしたい?
というモノローグがとても好きでして。
1巻7話の「青春を学んで生きる」にもありましたが、悩んだり不安になったりしながらも寄り添い言葉に出して前に進んでいく等身大の大人の"青春"が描かれていてとても素敵。
好きなことについて話し出すと止まらない腐女子OL。
こんなに饒舌な彼女が、大好きな神絵師JKを前にして言葉を失う瞬間に百合が爆発しているので発売が楽しみです。
そしてその夜シャーリーが見た夢の描写も凄く素敵です。
「ふたりでずっと踊るのだ」
という、時を超える永遠性が描かれています。
この時を超えた関係性については先日の今こそ百合語らナイトでぬまがさワタリ先生や横槍メンゴ先生も触れられておられましたが、"百合"らしさかと思います。
「大切なあの人とどこかへ」
と心をはせる女の子同士の描写がとても好きなのですが。
料理好きな人見知りのぼっち女子と、釣りが好きな物怖じしないヤンキー女子が織り成すアウトドアライフを描く
匡乃下キヨマサ先生
『カワセミさんの釣りごはん』
もそんな趣があって素敵です。 https://t.co/HyFA1bfIQy
9月24日(月)21時~
「食欲の秋 ご飯を一緒に食べる百合シーン特集」は甘々、ほのぼのから殺伐までご飯を食べるシーンだけを沢山見ようかと思っています。
オススメのご飯シーンも募集中。
※画像はななつ藤先生『君は少女』の年の差百合ご飯。
"時間を超えていく想い"という文脈において。
さと先生『フラグタイム』が大好きでして。
かたや内向的、かたや社交的と方向性は違えど人に嫌われたくないという同じ思いを有し、止まった時間の中にいた森谷さんと村上さんが決意を持って止まった世界から外に出る姿には時を超える美しさがあります。
八咫烏杯受賞作、空葉蒼先生『ゆめの帰り道』。
大人びていく友人たちに合わせて胸の内に自身の感情をしまいこんだ少女が、しまいこんだはずのその感情を抱き締めてくれる同い年の少女に巡り合う瞬間を幻想的に描いた。
自分を肯定してくれる存在に巡り合うことが何よりも嬉しいという
イルミューイに対するヴエコの想いがほとばしるシーンがとても好きです。
「ただあの子のことを忘れたくないだけ……」
と笑う顔が素敵。