ひの宙子先生のデビューコミックが8月8日発売とのこと。
連載されていたオムニバス作品『なつかしい明日のはなしたち』の最終話がとても素敵だったので発売が楽しみです。
互いに心のどこかで相手のことを思い浮かべながら過ごしてきた高校の同級生が再開し、特別な存在であることを再認識するお話。
失声症ゆえに級友達とのコミュニケーションに悪戦苦闘する主人公(天然)と、人の心の声が聞こえるために彼女の想いが伝わってつい手を貸してしまう心埼菊乃(見た目ヤンキー)。
自身への感謝の声も丸聞こえでその度に顔を赤らめる何だかんだで面倒見のいい菊乃と、ついぞ知らない主人公の様子が素敵。
女性同士の感情がせめぎ合うダブルキャスト作品が好きです。
志村貴子先生『淡島百景』の山県沙織と武内実花子。
松浦だるま先生『累-かさね-』の累と幾。
有吉京子先生『アプローズ』の 娑羅とシュナック。
など。
世間知らずのお姫様が初めて"友達"と言われて顔を赤らめる。
好きなシチュエーションです。
恥ずかしがりやのヒーローを描く実樹ぶきみ先生『SHY』。
まだまだ未熟な主人公のテルとそんな彼女を見守りピンチの時には駆けつけてくれる姉御肌なペペシャの関係など、女の子の絆が描かれていて好きです。
8月9日発売の郷本先生『夜と海』を読んだ後、天然気質な女の子に恋をして振り回される百合作品ということで、いけだたかし先生『ささめきこと』を読み返し号泣しました。
というわけで9月3日の百合文壇バーはまるごと2時間『ささめきこと』についてわいわい話す日にしようと思います。
「この世界で生きるしかない」という絶望感に包まれたゼロ年代文脈を持ちつつ、苦しい現実の中で言葉を費やし続けた二人が辿り着く終着点がとても美しい作品。
中村珍先生『羣青』。
逃れられない現実の中で生きる人々にとっての逃避行を考えさせられます。
19世紀ロンドンの文化風俗が描かれているのは例えば華子とアリスが汽車に乗ってローズバロウハウスからロンドンへと向かう描写にも見てとれます。
アンナ・パレホ・ディバロは19世紀ロンドンの"郊外詩人"をさして次のように述べています。
『夜と海』のタイトル通り、お互いから見えるイメージが月子は夜、彩は海で表現されています。
近くにいるのに遠いという二人の距離感が夜と海のイメージを使って詩的に表現されているのでページをめくるのがとても楽しいです。
ご興味のある方は。
10月22日(月)21時~の百合文壇バーはバトル百合回です。
冨樫義博先
『HUNTER×HUNTER』
鎌池和馬先生/冬川基先生
『とある科学の超電磁砲』
を中心にわいわい話せればと思っています。
場所:シアターPOO(@POO75498512)
新宿区新宿3-35-5守ビル3F
時間:21時~
チャージ800円
ワンドリンク700円