超然としてわが道をいく守と、そんな彼女に初恋をする牛島さきこ。
二人の過去がどのように描かれるのかとても気になります。
そうした"二人で過ごす時間を積み重ねていった先にある何か"について印象的に描写されているのも素敵です。
共にいるポジティブな未来を二人が同時に想い描く姿に百合を感じることができるかと思うので、お好きな方はぜひご一読を。
それまで交わらなかった三人がある事件をきっかけに絡まっていく様子が素敵です。
登場人物の感情が交錯するあまり冒頭で吐露される
「あなたのことがこんなにも憎くてたまらないのに私にはこの愛を終わらすことができないのです」
というセリフが三人の中の誰の言葉かわからず、続きが気になります
永遠と刹那が入り交じる耽美な作品がお好きな方は是非ご一読を。
個人的に4巻で好きなのは主人公の一人・洋子とその友人・玲奈のやり取り。
玲奈が洋子をポラリス(北極星)にたとえるくだりで三浦しをん先生の「君はポラリス」を思い浮かべてグッときました。話はそれますが「君はポラリス」収録の
議員を父に持つ美月は、事故で亡くなった兄の代わりに父の跡を継がせようとする厳格な母親に縛られ次第に人を寄せ付けなくなっていった女子高生。
一方の真子は事故で母を失い、怪我をした父の代わりにバイトで家計を支えつつも笑顔を失わず沢山の友人に囲まれる女子高生。
好きな相手でも真正面から見つめ合うことができずにその背中を見ていることしかできない、というシギサワカヤ先生『君だけが光』の描写などを見ると、恋とか愛とかアイデンティティーとかそういう複雑に入り組んだものを、人間は一人の誰かを相手に全て解消できないのではないかと思ったりします。
9月24日(月)21時~
「食欲の秋 ご飯を一緒に食べる百合シーン特集」は甘々、ほのぼのから殺伐までご飯を食べるシーンだけを沢山見ようかと思っています。オススメも募集中。
※画像は志村貴子先生『どうにかなる日々』。傷心の想い人のため、好きな料理を作っあげようと決めた主人公の買い物シーン。
作中に出てくる
「だーら、あーし…捨ててきた」
「誰と居ても独りぼっちになっちゃうあーたが、何に耐えてきたのか、理解するために」
という好きな女の子を理解するために全てを捨てた女の子の台詞に関係を繋ぎ直すエモさが爆発していてとても素敵です。
11月30日発売の宇仁田ゆみ先生『宇仁田ゆみ作品集 ふかしぎ草紙』。
収録の宇仁田先生初ガールズラブ短編『モコ』が素敵。
同級生の雪ちゃんのことを好きになってしまった紅美。
隠していた想いを雪ちゃんに知られてギクシャクしてしまう二人ですが、それを越えて着地する姿がとても鮮やかです。
『テオ-THEO-』でも、近くにいるからこその"息づかい"や"温もり"、そしてそこから生まれる"気付き"や"愛しさ"が丁寧に描かれていたので、シーナとミミの今後がとても楽しみです。
それにしてもキスによって魔力を注ぎ込み傷を癒すというアイディアは最高ですね。
5月27日の百合文壇バーは萩原健一さん主演ドラマ『明日への誓い』を監修されていた現役牧師・中村トールさんをゲストに迎える『ピルグリム・イェーガー』特集回です。
トールさんはルネサンス当時のカトリックについてお話下さる予定。
志村貴子先生『淡島百景』。
プライベートでは誰よりも沙織の近くにいるかよが、互いに代役をつとめ合うなど舞台の上の特別な関係で結びつく沙織と実花子の二人を羨望をもって見つめるシーンなどなど。
現実空間とは違う舞台上の特別な関係について話しつつ、