取り上げようと考えているのは志村貴子先生『淡島百景』3巻。
淡島歌劇学校の公演でWキャストをつとめることになった二人を描く『山県沙織と武内実花子』が素敵です。 
   ふとしたきっかけで
「もっと会いたい」
「もっと触れたい」
といった友達には感じない欲を雫に対して感じていることを自覚して……?
というお話。
初めて誰かに執着することを知った美大生と、憂いを抱えたデザイナーの関係がとても素敵なのでご興味のある方はぜひ。 
   『主従百合アンソロジー Rhodanthe』。
主と従という立場で向き合う二人が
決められた役割期待を超えてさらに距離を近づけようとする姿に互いを想う気持ちが現れた素敵な短編が収録されていました。
黄井ぴかち先生のケモミミ百合。
感情によって上下する耳の破壊力が凄まじかったです。 
   二人から主人公への心の継承が素敵なのでご興味のある方は。
恩田陸先生の『対岸の彼女』もそうなのですが、もう二度と会うことがないとしても、その人がいたからこそ感じえた思春期の瑞々しい感動を忘れずに継承していく女子同士のお話が好きです。 
   あるいは奇妙な縁で繋がった人妻の木内海に自身の破滅と隣合わせの恋をしたり等々。
これだけ見ると恋多き女性に見えますが、その根本には 
   第2話はミトがカメラ好きなチサトさんとの繋がりを欲したミトが自分もカメラをバカ始めようと決意するお話。
自分で最初に撮る写真はチサトさんにしたいと告げるミトと、それを受け入れるチサトさんの関係がとても素敵です。 
   そう願いながら孤独な日々を送る彼女の前に現れたのは、かつてミュージシャンとして活動していたという女性――岩井節子(いわい・せつこ)。そしてふたりは距離を狭め、肌に触れ合い、恋に落ちる。――それは、秘め事ばかりの恋愛風景。 
   風景描写がとても素敵な作品です。
共に行ったことのない場所に行き、見たこともない景色を目にしてそれを写真に残す。
そんな胸踊る一瞬をチサトさんと一緒に迎えるミトの感動が美しい景色と共に描かれるのでご興味のある方はぜひ。 
   兄嫁・薫瑠の学生時代の思い出が描かれる最新巻。
璃沙子との関係に焦点が当てられるのですが、薫瑠が好意を寄せていることを知りながら怜一と付き合い始めたり、それでいて何かと薫瑠を気にかけたり、はたまたこれ見よがしに怜一との仲を見せつけたりと彼女の真意が気になるところ。