美生の一言によって更に変わっていく二人の結末はぜひ本書でお確かめください。
百合ではないですが美生以外の二人の姉の恋模様もそれぞれとても感動的なのでオススメです。
百合文壇バーで反響の大きかった作品⑨木野咲カズラ先生『ストロベリー・フィールズをもう一度』
心が通っていく描写が丁寧なのは勿論、ぴゅあという女の子が見せる"時を超える想い"に胸が熱くなります。
個人的にはSFマガジンのいう「昨今無視できなくなってきた百合SF」の一つ。最新2巻発売中。
執筆活動も学校生活も父によってもたらされる作家たちとの付き合いも、社交的に振るまい全てそつなくこなしながら、代わりに誰にも本心を見せなかったリカが、天才・響を前に負けたくないと心の底から願い、あがき、悶える姿が胸をうちます。
高校に入ってから転校してきた黒沢さん。
授業中はいつも寝ているにも関わらず、それまで白峰さんが必死の思いで保持してきた学年1位の座を奪ったばかりか勉学以外もなんでもこなしてしまう天才タイプ。
けれど完璧過ぎるがゆえに人に敬遠されてしまう天才ゆえの悩みを抱えた(?)女の子。
その偽りの仮面が剥がれた後で自分と向き合い、至らなさを痛感して相手を羨み、そのことで自分を惨めに感じながら、それでも一緒にいることでその想いも昇華して思いやりだけが残るような美しい光景が描かれます。
以下、ネタバレ含むので苦手な方はお気をつけください。
実樹ぶきみ先生『SHY』の積読を解消。
かつて袂を分かった姉妹・曖と昧が、互いに刃を向け合った苦渋の時を越えて再び元の関係に戻っていく結末が美しく切ない。
ヒーローをテーマに心の在り方を描く本作ですが、最後に二人が辿り着く形や
亜生もまた加賀ちゃんの存在に励まされながらかつて諦めた漫画家の夢にもう一度向かっていくのですが、そんな二人の姿が素敵なのでご興味のある方は。
谷中分室先生『ボーダレスネーム』
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変わらないのはポジティブ感情だけでなく、16年前の二人を遠ざけた彼女の才能に対する主人公の妬みについても同様。
けれど、時を経てその才能を真正面公から見つめた主人公は、妬みは妬みとして抱えながらもそれにも増して彼女を好きになる。
心と体にについてのシリアスなテーマを持った『レトルトパウチ!』で特に好きなのは女子高生リカが好きな女の子めばえに向けて
「触れたところから全てが流れ込んで通じてしまえばいいのに」
「わたしたちはセックスにそんな力がないことを知っている」
「でも」
「だからこそ」
と願うシーン。
『半身』の新カバーを担当された松浦だるま先生といえば『累-かさね-』。
恋愛ではないですが、人生を奪い奪われる累とニナ、母の代から続く因縁に翻弄される異母姉妹の累と野菊、一度は累によって夢を奪われそして累によって夢を与えられる幾など、異様で濃い関係が描かれていて個人的には大好きです