その偽りの仮面が剥がれた後で自分と向き合い、至らなさを痛感して相手を羨み、そのことで自分を惨めに感じながら、それでも一緒にいることでその想いも昇華して思いやりだけが残るような美しい光景が描かれます。
以下、ネタバレ含むので苦手な方はお気をつけください。
最新作の『イベリスの花嫁』でも、そうしたそうしたどうしようもい生身の感情が描かれているように感じて大好きですね。
あの人にどうしようもなく触れたいと思ってしまう自分や
日々加速するバッシングに事態を重く見た上層部は新薬実験の中止をせりかに通達します。
失意と同様に包まれるせりかですが、そんな彼女に同期としてJAXAの試験を通過し過酷な訓練を共に乗り越えてきた絵名が
「私しかいない」
と手を差し伸べます。
"もうそこにいない大好きだったあの娘"との思い出の場所をたった一人で何十年も守り続けたおばあちゃんが最後に語る独白がとても素敵です。 https://t.co/vUCBd7mUN2
「巻き込まれるのは嫌だけれど写真は撮りたい」というハルの他人事な本心を見透かすきょうちゃん。
そんな二人の関係を表した
「のぞきこんでいたのは自分だけではない」
という言葉にドキリとする作品です。その後二人がどうなるのかはぜひご一読を。
二人から主人公への心の継承が素敵なのでご興味のある方は。
恩田陸先生の『対岸の彼女』もそうなのですが、もう二度と会うことがないとしても、その人がいたからこそ感じえた思春期の瑞々しい感動を忘れずに継承していく女子同士のお話が好きです。
実樹ぶきみ先生『SHY』の積読を解消。
かつて袂を分かった姉妹・曖と昧が、互いに刃を向け合った苦渋の時を越えて再び元の関係に戻っていく結末が美しく切ない。
ヒーローをテーマに心の在り方を描く本作ですが、最後に二人が辿り着く形や
という第2話。
かつての意地悪な態度が嘘かのように、全てを忘れてしまうくるみとの日常を"楽しい"という清香の優しさが素敵。
くるみが記憶を失うことになった事故の真相や大好きな光里のことなどまだまだ謎が多く続きが気になります。
https://t.co/eP23SZDMbU
イルミューイに対するヴエコの想いがほとばしるシーンがとても好きです。
「ただあの子のことを忘れたくないだけ……」
と笑う顔が素敵。
クラスの中心人物かりんと、そんな彼女が秘かに憧れる顔立ちをした無愛想な同級生・岡沢。
岡沢のことを傷つけてやりたいと思いながら返ってくるのは素っ気ない返事で、その度に沈んでいく息苦しさを感じながら岡沢にも同じ場所に落ちてきて欲しいと願うかりんの複雑な想いを描く『蓮の花』